鹿児島・鹿屋市の特産品をPRしようと、地元の小学6年生がアイデアを考えたCMが制作された。そこには鹿屋出身の“あの”お笑い芸人も出演し、撮影は大いに盛り上がった。
鹿屋市の特産品をPRするCM 考えたのは小学生!
大隅半島のほぼ中央部にある鹿屋市。人口約10万人、農畜産業が盛んだ。市では豊富にある特産品を全国にPRしようと、4年前からCMを制作していて、今回、初めて小学生に協力を依頼、鹿屋小学校の6年生に白羽の矢が立った。
鹿屋市ふるさとPR課の赤木嵩征さんは、「子どもならではのユニークさ、斬新さを撮影するのが狙い」で、小学生に協力をお願いしたと語る。CMのテーマは、学校生活の日常に関連付けて、「ウナギ」と「和牛」をPRするというもの。絵コンテも児童が作り、約90のアイデアが寄せられた中から、2つの作品が選ばれた。

撮影の日、鹿屋小学校には朝からカメラや照明などを抱えたスタッフが続々と入り、CM撮影用の本格的な機材がスタンバイされた。
赤木さんも「大人では絶対考えつかないような面白いものになっていたので、わたしたちも撮影自体を楽しみにしておりました」と、鹿屋小の児童とタッグを組んだCM作りにワクワクしていた。
サンシャイン池崎さんが、母校で後輩たちと撮影
この撮影に児童と一緒に臨んだのは、鹿屋市出身のお笑い芸人、サンシャイン池崎さん。鹿屋の情報を発信する「鹿屋市クリイエェェェーイティブディレクター」に起用されていて、これまでも鹿屋市を宣伝するCMに出演している。さらに、実は鹿屋小学校の出身なのだ。
おなじみの白いノースリーブのスポーツウェアに白い鉢巻き、青い短パンの体育服姿で現れた池崎さんは、母校の校庭で後輩たちに囲まれ「鹿屋小学校のみんなと作る鹿屋市のCM」と大声で叫んだ。そして、両手のこぶしを高く上げて、池崎さんお約束の「イェーーーーーイ!!」を絶叫すると、子どもたちが笑顔で駆け寄って来た。

「上手!素晴らしい!」元気な監督が子どもたちの演技力をどんどん引き出す
場所を移して撮影が進められた教室では、サンシャイン池崎さんに負けないくらい元気いっぱいの監督が声を響かせ、子どもたちにCMのストーリーなどを説明していた。
今回撮影したCMのうち、ウナギCMは、「採用されてめちゃびっくりした」と喜ぶ、内倉優空さんのアイデアで、「テストが分からなくて『ウナギ』と書いたら、100点だった」という内容。

先生役は、もちろん池崎さん。教壇に立った池崎さんが「今から!」と言って、テスト用紙の束を持ち上げ、机に激しくたたきつけた。そして目を見開いて、児童の顔を見回しながら「国語のテストやりまーーーーす!」と大声で呼びかけたところでカット。

監督は次に、「配られた問題が難しすぎて、分からないという顔をしてください」と、児童たちに演技をつけた。「ふふふふ、口で言うんですか?」「いや言わない。そういう演技をして下さい。いやーな顔をしてください」と言う監督の指示で、子どもたちはふてくされた表情をしてみせた。「そうです。そういうことをしてください」。
そして、「用意、スタート」と声がかかると、子どもたちはそれぞれため息をついたり、「あ~あ」と落胆してみせたり。

1カット撮るたび、「はい上手!はい、カットぉ!はい、素晴らしい」と、監督の大きな声。子供たちの演技力をどんどん引き出していった。
もう一つの和牛CMは、堀田よしのさんの「チャイムが牛になるアイデア」が採用された。
児童の一人が、牛の角をまねて両手の人差し指を立て、それを頭にのせて「牛、おいしいよね」と演技すると、教室はどっと笑いに包まれた。そこへまた、「うまい!OK!素晴らしい!!」と、ここでも監督は子どもたちをほめて現場を盛り上げていった。

小学校生活最後の年のすてきな思い出に
ほとんどの児童が演技は初めてだったというが、監督から何度もほめられたり、先輩の池崎さんと一緒に笑い合ったり、撮影を楽しんだ様子。

子どもたちに撮影の感想を聞くと、男子児童は「緊張しすぎて覚えていません」と、はにかんだ表情を見せた。女子児童は「一緒に写真を撮ったりしたことが印象に残っています。池崎さんが元気でした」と話してくれた。小学校生活、最後の年のすてきな思い出になったようだ。
「最高のCMできちゃいました。イェーーーイ!!」
それから校庭に出た池崎さんは力の限りの大声を出し、今度は後輩とともに撮影したこのCMをPRするセリフを絶叫。「最高のCMできちゃいましたーーーーー。イェーーーーーーーーーーイ!!」そこにまた、監督が間髪入れずに「素晴らしい!」と大絶賛してくれるのも、モ~~お約束。

「このCMで鹿屋の牛が有名になってほしいです」と、和牛CMのアイデアを出した堀田よしのさん。
鹿屋の魅力が「牛(ギュー)っと詰まった」15秒のCMで、知名度が「ウナギ登りに」なるのも間違いなさそうだ。
鹿屋市ふるさとPR課の赤木さんは、「この動画をきっかけに鹿屋のウナギや和牛を知ってもらい、ふるさと納税などでお取り寄せしてご賞味いただければうれしい」と、期待を込めた。
今回撮影されたCMは9月ごろ、鹿屋市のYouTubeチャンネルなどにアップされる予定だ。
(鹿児島テレビ)