「合区」制度の影響を受けたのが、今回、改選を迎えていた比例特定枠選出の三浦靖氏です。
自民党内での合区と特定枠をめぐる候補者の調整の結果、今回の選挙には出馬しませんでした。
やり切れない気持ちを抱えながら国政を去ることとなった三浦氏が、その複雑な胸の内を明かしました。

参議院比例特定枠選出の三浦靖氏、今回の参院選には立候補せず、衆参8年の国会議員生活を終えます。

三浦靖氏:
「しまねっこ」と大田市のマスコットキャラクター「らとちゃん」

Q思いは島根に?
三浦靖氏:
そうですね。私は島根県から選出できない時の参議院議員として、その気持ちを忘れずに6年間やってきました。

大田市出身の三浦氏は大田市議を経て、2017年に衆議院比例中国ブロックで当選し国政に進出。
その後、2019年に参議院に鞍替えしました。
三浦氏は、この年から導入された「特定枠」で当選した初の議員となりました。

三浦靖氏(2019年選挙報告会当時):
特定枠は、緊急避難的な措置だと私も認識している。我々が行うべきは、合区選挙区の解消都道府県から1人は地域の代表が出せるように目指す。

特定枠は、比例区で政党が議席を獲得すれば、個人名の得票数に関係なく最優先で当選が決まる制度です。
合区の影響で、選挙区から候補者を出せない県の救済策として導入され、三浦氏は島根側の代表という形で選出されました。

今回の選挙では、選挙区選出だった鳥取側の舞立氏とともに三浦氏も改選を迎えましたが、自民党本部が示した「特定枠で2回連続の当選を認めないとする」方針を受け、出馬しないことを決めました。

三浦靖氏:
必ず勝てる候補、確実に可能性として高い候補を擁立しなければならない。

任期中、合区の「当事者」として合区解消に尽力してきましたが。

三浦靖氏:
遅々として、その結果が出せなかったということに関しては、自らも反省をしなければなりませんし、非常に心残りの点でもあります。合区解消は、やはり大きな壁を感じたところですね。

合区をめぐっては6月、参議院の「改革協議会」が報告書をまとめ、3年後の2028年の参院選までに解消すべきという意見もあったとして、議論を継続するよう求めています。

ただ、各党が訴える選挙制度については意見に隔たりがあり、具体的な動きは進んでいません。
三浦氏は、合区によって生み出された特定枠の問題点を任期中、身を持って感じていたと振り返ります。

三浦靖氏:
やはり、どこかまわりの皆さん方に遠慮もしていましたし、それが選挙を戦ってないという自分なりの遠慮であったのかもしれません。ですが、私は、その裏方としてそういった方々をサポートする役回りではなかったかということを、自分にずっと言い聞かせてこの6年間やってきましたので。

政治活動自体を制限したわけではないとしつつも、特定枠という特殊性から他の議員に対する「遠慮」があったと胸の内を明かしました。

無念の思いの中、国政を去ることとなった三浦氏。
今後の活動は未定としながらも地元・島根に戻り、これまでの経験を生かしたいとしています。

TSKさんいん中央テレビ
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