木村知事と大西熊本市長が、KIFA熊本インドネシア友好協会とともにバリ島を訪問しました。一行は、インドネシアの伝統文化を伝える美術館や若手実業家らによるセミナーやパネルディスカッションに参加。
現地からの人材受け入れなどについて意見を交わしました。
インドネシアの首都ジャカルタがあるジャワ島の東側に位置するバリ島です。
独特の伝統文化や豊かな自然が魅力で、世界有数のリゾート地です。
KIFA熊本インドネシア友好協会は、インドネシアとのさらなる交流を深めようと『KUMAMOTO DAY 2025』を企画。
このイベントに木村 敬 知事と大西 一史 熊本市長が参加しました。
【米本 剛精 記者リポート】
「バリのリゾート施設内にある『SAKAミュージアム』です。こちらの美術館では、バリの歴史や伝統文化などを知ることができます」
『AYANAリゾート』内にオープンした『SAKAミュージアム』は今年、「世界で最も美しい」建築を表彰する『ベルサイユ賞』を受賞。
この日は、木村知事と大西市長が揃って視察しました。
館内には、バリの歴史に関連する資料やバリの伝統的な暦を知る木彫りのカレンダー、古いもので17世紀に造られたという石像などが展示されています。
この他、バリの伝統行事で使用する悪霊をかたどった巨大な人形『オゴオゴ』の作品も並んでいます。
最も大きいもので高さ12メートルあるということで、木村知事や大西市長は、迫力ある『オゴオゴ』に感動の様子でした。
この後、2人が参加したのは、若手実業家らによるセミナーやパネルディスカッション。
テーマはインドネシアとの「人材交流」や「ビジネス創出」です。
セミナーでは、バリの日本語学校『アクセラ』の代表 リキ・スリアワンさんと、営業部長の中川 康徳さんが日本で働くインドネシア人の現状などを説明。
これまでに日本の企業などに約300人を送り出し、そのうち半数が熊本で働いているということです。
実際に介護施設でインドネシア人を受け入れている参加者からは…。
【介護施設でインドネシア人を受け入れている参加者】
「日本でも東北気質とか九州気質があるように、インドネシアの人にもそういうものがあると分かってきた。個性として、私たちも学んで理解しないといけない」
日本では働き手不足が課題となる中、木村知事と大西市長は今後もインドネシアからの人材受け入れを支えたいとしています。
【木村 知事】
「きのう(9日)、インドネシア政府労働省の事務次官に会った。今後、連携して、インドネシアからの送り出し、日本での受け入れ、熊本からビジネス展開につながるようないい循環ができないか、行政同士バックアップしていくことを調整しようと一致した」
【大西 熊本市長】
「(地域の人と外国人が)祭りなどを楽しんでもらえることをしながら交流することで、長く定着して、東京より賃金は安いかもしれないが、『こっちがいい』と選択してもらえるような環境をしっかりつくることが大事」
パネルディスカッションでは、AYANAリゾートの経営に携わるリュウ・スリアワンさんや、シンガポールを拠点にアジアのベンチャー企業に投資する佐藤 輝英さん、熊本からは外国人の就労支援に力を入れる『麻生交通』の社長 麻生 悠太さんと、国内外で入れ歯の製造などの事業を展開する『愛歯』の社長高橋 将世さんが登壇。
『ビジネス創出』をテーマに意見を交わしました。
【熊本から参加 『麻生交通』の社長 麻生 悠太さん】
「(外国人)ドライバーを(日本で)経験させて海外でメードインジャパンの事業展開ができないかと思っている」
【熊本から参加 歯科技工所『愛歯』社長 高橋 将世さん】
「東南アジアは「メードインジャパンはいいもの」というイメージを持っている国が多いと思うので、今後、ベトナムからシンガポール(の進出)もいいなと思っている」
木村知事と大西市長もこれからの熊本とアジアのビジネス交流に期待を寄せています。
【木村知事】
「介護人材をインドネシアから受け入れている人、「インドネシアやアジアに進出を考えたい」という熊本の企業、それぞれが前向きになる議論ができてそれを聞いて県としても支えていきたい」
【大西熊本市長】
「海外の人から憧れられる土地になる。『熊本に行けば、未来可能性が広がるよ』と希望を持てるように、いろんな環境を整えていく一番「カギ」になるのは人と人のつながり。つながりを大切にできる熊本市をつくっていきたい」
そして、木村知事と大西市長はプライベートガーデンパーティーに参加。
「インドネシアの財界の顔」ともいえるルディ・スリアワン、洋子・スリアワン夫妻らと交流を深めていました。