政府は15日、日本に滞在・在留する外国人らへの対応の司令塔となる事務局組織の発足式を首相官邸で開催した。石破首相は「一部の外国人による犯罪や迷惑行為、各種制度の適切な利用など国民の皆様方が不安や不公平を感じているところだ。国民の皆様の安全安心の確保は、経済成長に不可欠の前提であり、ルールを守らない方への厳格な対応や、外国人を巡る現下の情勢に十分に対応できていない制度、政策の見直しは、政府として取り組むべき重要な課題だ」と述べた。
その上で「出入国在留管理の一層の適正化、外国人の社会保険料等の未納防止、外国人による土地等の取得を含む国土の適切な利用管理など取り組むべき課題は多々存在している。これらの課題に的確に対処するため、省庁の枠を超えて緊密に連携し、外国人の懸念すべき活動に対する実態把握、関係機関により緊密な連携を可能とするための国、自治体における情報基盤の整備、各種制度運用の点検・見直しなどに取り組んでいただきたい」と述べた。
参院選では外国人政策について与野党が規制強化や共生の重視を掲げて争点となっている中、政府一体での対応を加速させる狙いがある。
事務局組織は「外国人との秩序ある共生社会推進室」で、内閣官房に設置された。入国や在留資格の審査を担当する出入国在留管理庁、社会保障制度を所管する厚生労働省、納税管理を受け持つ財務省などが推進室を中心に、制度の見直しや正確な情報発信の対応を一元的に担う。