地震の収束の見通しが立たない中、島外避難も1週間以上が経過しました。

島は震度4以上の揺れが5日以上ない場合は帰島に向けた調整を行うとしている中、こちらのカレンダーをご覧ください。

7月の鹿児島県十島村の日ごとの震度4以上の地震の回数ですが、9日、10日以外は必ず1日1回は起きている状況です。

当初、村では10日の段階で16日の帰島の見通しが示されたものの、その後も震度4以上は14日も発生したため、帰島の判断は最短でも20日にずれ込みました。

避難生活が長引く中、悪石島から避難した住民が14日、取材に応じ、不安の声を口にしました。

悪石島から避難・有川和則さん(73)
「今までの疲れもあって、地震への不安も重なったのでしょう。(体調が)極端に日に日に悪くなっていった。このまま残ったら島の人に迷惑をかけると思い、自分で動けるうちに避難してきた」

悪石島から鹿児島市に避難してきた有川和則さんです。

夫婦で漁業と民宿を営む有川さんですが、頻発する地震で体調を崩し、妻と一緒に村が用意した市内のホテルで生活しています。

徐々に体調は回復しているものの、避難から1週間以上が経過し、経済的な負担がのしかかります。

有川さん
「(避難先の)ホテルでは朝食だけ提供。昼食と夕食は自己負担。夫婦の1食で2000円はかかる。それがかさんでかなりの金額になる」
「(民宿の)予約客は全て断った。悪石島の民宿はどこもそうしている。民宿業を営む人は頭が痛い」

さらに新たな問題もー

有川さん
「私は今月16日にいったん帰る計画。台風が来た場合に、船を港に浮かべたままにしているので、いったん帰って船を引き揚げて、また鹿児島市に戻ってくる話をしている。もう船がなかったら仕事がない。島に帰っても」

地震で収入が無くなる上に、台風にも備えなければならない。

不安が尽きない中、有川さんは島に残る住民を気遣います。

有川さん
「島に残る人たちが地震のたびに恐怖感を感じるのがかわいそう。(島を)出たくても出られない人もいる。無理だとは思うが「頑張ってください」としか言いようがない。私も早く元気になって帰って何か役に立ちたいと思うが、震度4が何回も起きる状況で(帰島が)さらに先送りになっている。地震が早く収束することを願う」

鹿児島テレビ
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