活発な噴火活動が続く霧島連山の新燃岳です。
連日の噴火による降灰の影響か、新燃岳の周辺ではかんがい施設が破損し影響が広がっているほか、有数の観光拠点でも14日、新たに断水が確認されています。
新燃岳の火口から5キロほど離れた鹿児島県霧島市霧島田口の霧島川です。
川の脇には新燃岳の噴火によるものとみられる灰や岩が上流から押し流されていました。
この場所には本来、農業用水を流すため川底に溝や水の取り入れ口などがありますが、灰や岩で見えないほど埋まっています。
このため、川の水を利用して米を作っている田口水利組合では64ヘクタールの水田に、水が引けない状態が続いています。
田口水利組合・深町四雄理事長
「自分たちの手には負えない。高齢化が進んで命を引き継ぐこのコメ作りができないとなれば、田舎自体が沈没するのでは?と思う」
水利組合は業者に土砂の撤去を依頼していますが、復旧したあとの水質も心配しています。
深町理事長
「今、(苗が枝分かれする)分げつをしていて、どんどん稲穂が大きくなって(この時期は)収穫を大きく左右する状態。いくら水が来ても(灰が田に入れば)分げつはだめじゃないかな」
また、一連の噴火が原因とみられる断水も発生している霧島田口。
多くの登山客が利用するこちらでも。
中川雅温記者
「正午頃の高千穂河原です。今朝から蛇口をひねっても水が出ない状態が続いています」
公園の職員によりますと、14日の午前8時ごろまでは普段通り使えていたそうですが、だんだん水量が少なくなり、午前10時ごろに完全に水が出なくなったといいます。
職員は水を確保するために車で約40分の場所に向かいます。
自然公園財団 高千穂河原支部・古賀尚登さん
「取り急ぎ、水を持って行くことが急務。(高千穂河原は)人が集まる場所なのでトイレは重要視している」
公園内にある飲食店にも影響が出ています。
飲食店を営む・弓削眞智子さん
「はっきり言って『えーっ?』と思った。13日までいくらでも水道を使えていたので、びっくりしている。14日はもう無理です。自宅から(水を)タンクで運んでくるしかない」
高千穂河原での断水と噴火との因果関係ははっきりわかっていませんが、管理する県が調査を進めています。