ぶつかられてしまったら
それでも、ぶつかられてしまうことはあるかもしれない。できることは少ないが、もしスマホを取り出せる余裕があるなら、写真・動画の撮影機能で、記録を残しておきたい。
被害を誰かに伝える時、“ぶつかられた証拠”になるそうだ。ただし注意点もあって、SNSにはアップロードしないでほしいという。

「記録をとっていれば、駅の係員や警察に『こういう目にあった、こういう人がいた』という証拠になります。写真や動画はあくまで、自衛のために撮影したことを忘れないでください」
逆に避けてほしいのは、追いかけて“ぶつかり返す”などの仕返しをすること。怒る気持ちは分かるがトラブルに発展する恐れもあるので、ぐっとこらえてほしい。
ぶつかりおじさんはいつ現れるか分からない。通勤や通学のルートで見るなら、紹介したポイントを意識してみるといいかもしれない。
田中大介(たなか・だいすけ)
慶應義塾大学文学部卒業、筑波大学大学院人文社会科学研究科修了。現代都市のインフラ(公共交通、消費空間、情報環境など)の社会的編成と、そのユーザーの経験様式の構造と変容について、社会学的に研究している。著書に『電車で怒られた! 「社会の縮図」としての鉄道マナー史』(光文社新書)などがある。