6月29日にトルコ西部の街・イズミルで山火事が発生。発生当日に台風並みの強風が吹いたことから広範囲に延焼し、これまでに21人が負傷。130軒以上の住宅が被害に遭った他、4万2000人以上が避難している。当局は、9件の山火事のうち8件は、たばこのポイ捨てやバーベキュー、また、溶接の火によるものだと発表した。

“最大瞬間風速33m”台風並みの強い風で消火活動が難航

6月29日、トルコ西部で発生した山火事の現場。

炎の壁、勢いの強さのせいか引き返していく消防車
炎の壁、勢いの強さのせいか引き返していく消防車
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目の前にそびえる炎の壁、勢いの強さのせいか消防車は引き返していく様子も見られた。

山火事が発生したのは、エーゲ海に面する街・イズミルで、火は人々が住むエリアにまで迫り、住民たちは協力し合って消火活動にあたった。

住民が家庭用ホースで消火にあたっている様子
住民が家庭用ホースで消火にあたっている様子

他の地域では、住民が家庭用ホースで消火にあたったが、火が弱まる様子は一切ない。

トルコ当局は発生当日、最大瞬間風速33m/sという台風並みの強い風が吹いたことから、炎が燃え広がったとの見方を示している。

消火活動にはヘリコプターや航空機も投入されているが、強風のため、思うように進んでいないという。

カメラが捉えた車椅子に乗る高齢男性の救助

風にあおられた炎が到達した住宅付近でカメラが捉えたのは緊迫の救助劇だった。

救助隊員:
受け取って!受け取って!

火の手が目の前に迫る中で行われていたのが、車椅子に乗る高齢男性の救助活動。

車椅子に乗る高齢男性の救助活動の様子
車椅子に乗る高齢男性の救助活動の様子

救助隊員:
荷物は置いていって!

階段に阻まれ、その先まで逃げることができなかったようで、まさに一刻を争う状況だった。

車椅子の男性を抱える救助隊員
車椅子の男性を抱える救助隊員

着の身着のまま何とか逃げてきたのか、男性は裸足で、2人の救助隊員が男性と車椅子をそれぞれ抱え、救助に成功した。

この火災により、これまでに21人が負傷。
130軒以上の住宅が被害に遭った他、4万2000人以上が避難しているという。

強い風の影響や新たな山火事の発生により消火活動は難航している。

市民生活にも大きな影響を及ぼしている火災の原因は何だったのか。

トルコ当局は、これまでに発生した9件の山火事のうち8件は、たばこのポイ捨てやバーベキュー、また、溶接の火によるものだと発表。
「小さな不注意が大きな災害につながる」として注意を呼びかけている。
(「イット!」 7月1日放送)

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