宮城県議会議員が旧統一教会の関連行事に出席した際に支出した政務活動費を巡る裁判で、仙台地裁は一部について違法性を認め、あわせて3万5000円を返還させるよう県に命じました。
仙台市民オンブズマンは、自民党・県民会議に所属していた県議5人が、旧統一教会の関連行事に出席した際、政務活動費を支出したのは違法だとして、県に対しおよそ50万円を会派に返還させるよう求めています。
5人のうち1人は、全額を返還したため、裁判の対象からは外れていましたが、6月30日の判決で仙台地裁の前田志織裁判長は、4人の4件の支出について違法性を認め、会派にあわせて3万5000円を返還させるよう県に命じました。
仙台市民オンブズマンは、判決について、「一定の意義がある」とする一方で、およそ30件の違法性が認められず、「議員を救済する判決内容だ」などとして、控訴も検討するとしています。
仙台市民オンブズマン 千葉展浩弁護士
「本判決は政務活動費の透明性を確保すべく、これまで積み上がってきた、過去の裁判例の考え方を理由もなく採用していない点で、不当な判決と言わざるを得ない」
判決を受け、村井知事は「判決文を精査した上で対応を検討する」としています。