ウクライナのゼレンスキー大統領は対人地雷禁止条約から離脱する方針を定めた大統領令に署名しました。

対人地雷禁止条約、通称「オタワ条約」は、対人地雷の使用や製造、貯蔵などを禁止する国際条約で、ウクライナは2005年に批准しました。

ゼレンスキー大統領は29日、オタワ条約から離脱する方針を定めた大統領令に署名したと発表しました。

今後、日本の国会にあたる最高会議の承認を経て、国連に通告することになります。

ウクライナ外務省は30日、声明を発表し「ロシアはこの条約を批准しておらず、2014年以降、対人地雷を広く使用してきた」とした上で「ロシアの侵略から領土と国民を守るため、政治的決断を下した」と、離脱の理由を説明しました。

また、ゼレンスキー大統領は自身のSNSで、「戦時下で条約を離脱する難しさは十分認識している」と述べたうえで、「防衛手段として対人地雷に代わる選択肢は限られている。今回の決定は安全保障上の措置だ」と強調しました。