愛知県豊田市の矢作川で6月28日、バーベキューに来ていた男性が、川で溺れて死亡しました。夏に相次ぐ、海や川での「水の事故」から命を守ろうと、新たな商品も開発されています。

■穏やかにみえる清流で…23歳男性が流され死亡

済んだ水で、アユ釣りなども盛んな矢作川、地元の人々に愛されていますが、この場所で1人の命が失われました。

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6月28日午後、友人とバーベキューをしていた23歳の男性が、川遊びをしていたところ、溺れて流されました。

男性はおよそ25メートル下流の、深さおよそ4メートルの川底に沈んでいるのが見つかり、病院で死亡が確認されました。

川を管理する愛知県の担当者は…。

豊田加茂建設事務所足助支所の松岡孝嗣管理課長:
交通の便が特別良いわけでもないので、知る人ぞ知るという感じになっている気はします。手前は砂地が見えていて、入っても大丈夫かなと思うんですけど、ちょっと奥に行くと急流になっていますので。

水難事故に詳しい専門家は、矢作川の特徴をこう話します。

水難学会の斎藤秀俊理事:
砂地から川の中に徐々に入り込んでいって、ある所で急に深くなるんですけれども、深みにはまってしまって戻ろうと思っても戻れない。

6月とは思えない暑さで、豊田市の30日の最高気温は35.9℃と猛暑日になりました。

男性が死亡した28日には、宮崎県でも川で泳いでいた男子高校生が流され死亡するなど、水の事故が相次ぎました。

矢作川の現場周辺でも3年前、バーベキューをしていた男性が川に流され、死亡しています。

豊田加茂建設事務所足助支所の松岡孝嗣管理課長:
気をつけて遊んでいただきたいと思いますが、お酒を飲んで入ることは決してないようにしていただきたいのと、小さいお子さんには十分注意して遊んでいただきたいと思います。

■もし流されたら…“浮いて”命を守る

“水の事故”から命を守ろうと、名古屋市港区でウレタン製品などを作る「ヘルメス」は、2024年から、“浮くテーブル”UKIBLE(ウキブル)の販売を始めました。

普段はアウトドアで使うカーゴボックスに乗せて、テーブルのように使いますが、水の事故が起きた時におぼれている人に投げると、つかまって浮くことができます。

浮力はビート板のおよそ10倍で、75キロの大人でも浮くことができるといいます。

ヘルメスの亀井則宏代表取締役:
(東海地方を流れる)長良川は琵琶湖に次ぐ、川では第1位の水難場所であります。1人の方でも救命に役立てばと開発した商品です。

ウキブルは化学反応を起こすことでおよそ8倍に膨らむ、軽くて丈夫な「硬質発泡ウレタン」でできています。重さはおよそ1.8キロと軽く、子供でも投げやすいのが特長です。

もうすぐ子供たちの夏休みもやってきます。水の事故を防ぐために、どんな心構えが必要でしょうか?

水難学会の斎藤秀俊理事:
川は泳ぐ所ではなく遊ぶ所。慌てて川に行かずに、みんなで川の深さをゆっくり確認しながら、川の中に入っていってほしいと思います。

(東海テレビ)

東海テレビ
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