プレスリリース配信元:公益財団法人世界自然保護基金ジャパン
―世界のプラスチックに関連する経済活動31%増大―
WWFジャパンが事務局を務める、国際プラスチック条約 企業連合(日本)(代表:ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス合同会社 代表職務執行者 ジェネラルカウンセル 松井さやか)は、2025年6月27日(金)16時に、国際プラスチック条約を、法的拘束力のある調和の取れたルールを基盤とすることが経済活動にも有益であることを示す新たな分析結果を発表しました。
以下の資料に分析結果のポイントを示しています。
https://www.wwf.or.jp/activities/data/20250627ocean02.pdf
本分析は、2025年8月5日(火)~14日(木)に、スイス・ジュネーブで開催予定のプラスチック汚染根絶のための国際条約の制定に向けた最終の交渉会議(政府間交渉委員会第5回会合第2部:INC-5.2)に先立って、6月初旬に、「国際プラスチック条約 企業連合(Business Coalition for a Global Plastics Treaty)」が公開した英語版を日本向けに紹介したものです。
企業連合がSYSTEMIQ社に委託し、条約の主要な条項(3条:プラスチック製品/化学物質規制、5条:製品設計、8条:廃棄物管理/EPR(拡大生産者責任))が、各国で分散したルールとなる場合と、調和の取れたルールに基づく場合との経済的合理性を比較分析しています。特に、交渉会合でその動向が鍵となるとされる6カ国(日本、ブラジル、中国、インド、インドネシア、南アフリカ)についての分析を深掘りしています。法的拘束力のある調和の取れたルールに基づく条約が経済活動にも有益であることが定量的に示されました。
■本分析結果の要旨
- 製品・化学物質規制(3条)、製品設計基準(5条)、廃棄物管理・EPR(8条)に国際ルールを導入することで、分散ルールの場合と比べ、水平リサイクルによる再生素材を、2040年に、世界で77%、日本で90%増やすことができる(下図)。
- 同様に国際ルールを導入することで、分散ルールの場合と比べ、問題ある使い捨てプラスチックを2040年までの累積で、世界で2.22倍、日本では2.25倍削減できる。
- しかも、国際ルールを導入することは、著しい経済効果をもたらす。国際ルールの下で、世界のプラスチックバリューチェーンの経済活動は2040年に2025年比で31%増大。日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド全体でも7%増大する見込み。
■国際プラスチック条約 企業連合(日本)代表のコメント
ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス合同会社 代表職務執行者 ジェネラルカウンセル 松井さやか
企業として、各国での異なる規制がプラスチック汚染対策の進展を著しく遅らせる様子を、直接目の当たりにしています。製品設計、段階的廃止、EPR(拡大生産者責任)に関する明確な規定を持つ統一された規制は、イノベーションを大いに促進するだけでなく、企業にとって公平な競争の場を創出します。プラスチック汚染が阻止され、資源として活用されるサーキュラーエコノミーへの移行に向けて、野心的な条約をあらためて求めます。
■国際プラスチック条約 企業連合(日本)事務局責任者のコメント
WWFジャパン 自然保護室 サーキュラーエコノミー・マネージャー 兼 プラスチック政策マネージャー 三沢行弘
昨年12月のINC5(政府間交渉第5回会合)では、約100カ国もの国々が、プラスチック生産段階での法的拘束力のある規制など野心的な条約を求めたものの、一部の国の強硬な反対により議論が収束しませんでした。再開される8月の交渉では、これまで態度を明らかにしていない日本などの動向がその成否の鍵を握ると思われます。本分析により、条約で法的拘束力のある調和の取れたルールを導入することは、世界と日本の経済活動にも有益であることが示されました。日本政府は汚染根絶に加え、企業へのメリットも考慮し、野心的な条約を求める大多数の国々の側に加わり、他国にも働きけていくことが求められます。
【関連資料】
※企業連合は、6月30日からケニア・ナイロビで開催される各国代表のトップによる非公式会合に先立ち、6月27日に日本政府に対しプラスチック汚染を根絶するための調和の取れた規制の採択を要請する公開書簡を提出しました。
https://www.wwf.or.jp/activities/data/20250627ocean01.pdf
<国際プラスチック条約 企業連合(日本)とは>
エレン・マッカーサー財団とWWFの呼びかけで2022年9月に「国際プラスチック条約 企業連合(Business Coalition for a Global Plastics Treaty)」が発足しました。世界からプラスチックのバリューチェーン全体に関わる290以上の企業、金融機関、NGO パートナーが参加し、プラスチックをサーキュラーエコノミーへと移行させ、プラスチックが廃棄物となり、汚染を引き起こすことを阻止することのできる、野心的な国連条約の締結を共同で求めています。この日本における活動グループとして、2023年11月1日、10社が参画して「国際プラスチック条約 企業連合(日本)」が発足し、日本政府に向けて提言を実施しています。
以上
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