外国の運転免許証を日本の免許に切り替える「外免切替」について、警察庁は観光客など短期滞在者を適用外にするほか、知識試験の問題を今の5倍の50問に増やすなど厳格化する方針を決めました。10月からの開始を目指します。
2025年5月に埼玉県三郷市で小学生が負傷したひき逃げ事件など、「外免切替」で日本の免許証を取得した外国人による交通事故が相次いだことを受け、警察庁は制度を改正する方針を公表しました。
現在の制度では、観光客が滞在しているホテルなどを住所として外免切替できますが、今後は、住民票の写しが原則必要になるため、短期滞在者は免許を取得できなくなります。外交官やモータースポーツイベントで来日する在留資格認定証明書を持つレーサーらは例外となります。
また、交通ルールに関する「知識確認」の試験については、イラスト付きの10問のマルバツ形式の問題から50問に増えます。これまでは、このうち7割以上正解すれば試験を通過できましたが、新制度では9割以上の45問以上に正解しないと「技能確認」試験に進むことができなくなります。
さらに「技能確認」試験についても採点が厳格化されるほか、踏切や横断歩道の通過が新たに試験項目に追加されます。
2024年に、外免切替で日本の運転免許を取得した外国人は6万8623人にのぼりました。また、外国人による交通事故は、2024年は7286件で、過去10年で最多となりました。
警察庁は、新制度について意見の公募を経て、10月1日の施行を目指します。