7日、東京都心は今年初めての猛暑日になりました。
そんな暑い夏を乗り切るために欠かせない家電商品を巡り、詐欺被害を訴える声が相次いでいます。
京都に住む購入者:
インスタやフェイスブック、あらゆるサイトに出ていたので…。
SNSを見ていた時に表示されたという問題の商品の偽広告では、サーキュレーターの強烈な風量をアピールするように白い煙が吹き出しています。
実在する有名企業と大学との共同開発をうたい、画面には「1秒で室温を20度下げる」などと表示されています。
こうした動画に引かれ購入してしまったという沖縄に住む購入者も、「アイリスさんの商品で、サーキュレーターなら大丈夫かなと」と話しました。
しかも、この商品のネット通販ページを見ると大手家電量販店やグッドデザイン賞、更に、省エネ大賞などのロゴマークが表示され、省エネで急速冷却できると強調されています。
一方、画面の左上を見ると「1日あったり2円」と、日本語がおかしい点も。
しかし、1台6380円、2台買えば8990円と格安なこともあり、購入。
ところが購入者からは「実際に届いた物は広告とは似ても似つかないような物」「『え?』という感じの商品。ちっちゃな箱に入っていて、おもちゃのような物だった」など、“広告とは全く違う商品が届いた”との被害報告が次々。
偽広告では、強い風量で涼しいと強調されていましたが届いた商品は「全く風を感じない。うちわであおいでるくらいの風」と、購入者は話します。
共同開発をしたと名前を使われたアイリスオーヤマを取材すると、「商品開発の事実はありません」と関与を否定する返答がありました。
広告には他にも企業や団体名が記載されています。
その全てを取材し商品との関連について聞くと、新たな事実が判明しました。
2025年度省エネ大賞の主催者は…。
一般財団法人 省エネルギーセンター・判治洋一さん:
(Q.25年の省エネ大賞)今は審査中だからありえない、ありえない。無断使用もいいところ。もともと25年なんて結果出てない。
25年度の省エネ大賞は現在審査中のため、受賞はあり得ないことで無断使用だと回答。
更に、理事長が推奨と表記された日本気象協会も「一切関係ない。そういった商品を推奨するようなことはない」などと否定。
広告に記された全ての団体が商品との関与を否定したのです。
名前をかたられた企業や団体の多くが、ウェブサイト上などでだまされないようにと注意を呼び掛けています。
実際に被害者が利用した通販サイトを見ると、運営元とされていたのは中国国内にある企業でした。
今でも商品が購入できてしまう状態のため、被害者が増える恐れもあります。
「イット!」は問い合わせフォームを通じて運営もとに取材を申し込みましたがこれまでに返答はありません。
沖縄に住む購入者:
馬鹿なことをしたなって感じですかね。
男性は返金を求めメッセージのやり取りを続けていましたが、返答が途絶えたため、今後、警察や消費者センターに相談するとしています。