埼玉・蕨市で26日、埼玉県警による立てこもり事件を想定した訓練が実施された。刃物を持った立てこもりを想定し、警察官は人質の安全を優先しつつ、犯人役に対し冷静に説得を進めた。最終的に犯人役を制圧する形で、訓練は無事終了。埼玉県では立てこもり事件が増加しており、迅速な対応をするために訓練を実施したという。

立てこもり事件を想定した訓練を実施

埼玉・蕨市で26日午前11時半頃に行われていたのは、埼玉県警による立てこもり事件を想定した訓練の様子だった。

建物のベランダで撮影されたのは「帰れよ!」と怒鳴る犯人役に、「玄関開けてください!玄関!」と毅然とした態度で命令する警察官の姿だった。しかし、犯人役の男は「帰んねぇとこの女ぶっ殺すぞ!」と脅し、刃物を片手に抵抗を見せる。

人質を盾に脅す犯人役
人質を盾に脅す犯人役
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訓練は浮気が原因で刃物を持った彼氏が彼女を人質に立てこもったという「男女間のトラブル」を設定していた。

まずは警察官が「今すぐ避難してもらってもよろしいですか?」と隣人に声をかけ、安全確保のために避難誘導を行っていた。

部屋に立てこもる犯人役と交渉を続ける警察官
部屋に立てこもる犯人役と交渉を続ける警察官

そして立てこもった部屋の玄関越しに、人質の安全を優先しながら、粘り強い説得を続けた。警察官は「興奮してるから心配なんですよ」と投げかけたが、犯人役の男は「帰ってくれよ!」と言い返した。

それでも警察官は諦めず「彼女さんとも直接お話ししたいんで、ね」と諭すように交渉を続けた。

訓練の意図「迅速対応できるように」

訓練とはいえ緊迫した空気の中、ついに「刃物!刃物捨てろ!」という声と共に、玄関から出てきた犯人役を待ち伏せしていた警察官が制圧した。これにより無事訓練は終了した。

訓練に参加したというおよそ40人の警察官
訓練に参加したというおよそ40人の警察官

近年、埼玉県で起きた立てこもり事件は4件で、そのうち2件は6月中に発生しており、約40人の警察官が訓練に参加したという。

刑事部・捜査第一調査官の中澤史和さんは「警察署の初動対応の執行力を図りながら、我々も迅速に対応できるように訓練を重ねて、安全安心の確保に努めていきたいと考えています」と語っている。
(「イット!」 6月26日放送より)

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