マダニが原因となった感染症により、最悪の場合、人間やペットが命を失うケースが各地で起きています。感染を防ぐ対策について、医師に聞きました。

■マダニを通じて感染する「SFTS」

家族のような存在のペットを巡る感染症で、死者も出る事態となっています。その原因は、公園や庭の草むらなどペットが日常的に出入りする場所に潜んでいる「マダニ」です。

茨城県で2025年5月、マダニを通じて感染する、人と動物の間でうつることがある感染症「重症熱性血小板減少症候群=SFTS」にかかった飼い猫が確認されました。

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茨城県によりますと、この猫は室内で飼われていましたが、屋外へ脱走後、耳に小さなダニが多数付着していたと言います。

病院でダニを除去しましたが、高熱や食欲低下嘔吐の症状があり、その後死んでしまったということです。

街の人に話を聞くと、すでに対策をしているという飼い主もいました。

犬の飼い主ら:
(犬の)このお洋服も虫よけの効果が入っている服で、虫よけはしています。

今日も朝、ワンちゃん用のスプレーでマダニとかを避けられるというものがあるので、それを体にふってきている。

(マダニは)ドッグランにもいるみたいなので、草むらには極力顔を突っ込ませないようにしています。

■致死率は最大3割近くに…SFTSに感染した人の死亡も確認

感染症は、人間も注意が必要です。人の場合、致死率は最大3割近くにのぼると言います。

SFTSでは、発熱、発疹、嘔吐などの症状が現れ、最悪死亡することもあります。マダニはそのきっかけとなります。

豊田市によると、6月1日、発熱などの症状で入院した50代女性が、検査の結果SFTSと診断され、5日後に死亡しました。女性は草むらで除草作業をしていたということです。

6月24日には、入院先の医療機関で死亡した90代男性も「SFTS陽性」と判明しました。

さらに三重県では、2025年4月、SFTSにかかった猫を治療していた獣医師の男性が、呼吸困難などの症状を訴え病院に搬送されましたが、数日後に死亡しました。

男性獣医師は、SFTSウイルスに感染していたことがわかりましたが、マダニに咬まれた痕はなく、感染経路はわかっていません。

■万が一咬まれた場合はどうすれば?

名古屋市熱田区にある「白鳥皮フ科クリニック」では、先週もマダニに咬まれた患者が来院したということです。

白鳥皮フ科クリニックの林剛徳院長:
草むらに入った時に起こりますので、春から秋にかけてが多いと思います。首筋にタオルを巻いたり、靴下などをズボンの上にしてもらうといいと思います。夏にレジャーで山に行く際は、特に子供が家に帰ってきたら体を全部チェックして、マダニがついていないか確認されるといいと思います。

これからの時期、草むらなどに入る場合は、長袖や長ズボンを着用する、足を覆う靴にする、防止手袋を着用するなど、肌の露出を少なくしマダニに咬まれない対策が必要です。

万が一、マダニに咬まれてしまった場合の対応を林院長に聞きました。

白鳥皮フ科クリニックの林剛徳院長:
自分で取ってしまったり、つぶしてしまうと、口器という口の先が体の中に残ってしまって、いろいろな病気を体内に入れてしまうので、早く病院に行って速やかに取ってもらうのがいいと思います。

(東海テレビ)

東海テレビ
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