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プレスリリース配信元:スマートニュース株式会社

世界中の良質な情報を必要な人に送り届けることをミッションとするスマートニュース株式会社(所在地:東京都渋谷区、代表取締役社長 CEO:浜本階生)の社内シンクタンクであるスマートニュース メディア研究所(所長:山脇岳志)は、日本国内の政治的・社会的分断や、人々のメデイア接触状況を概観する「スマートニュース・メディア価値観全国調査(SMPP調査)」(SmartNews, Media, Politics, and Public Opinion Survey)の結果を公表しました。

SMPP調査は2年ごとに実施しており、今回で2回目となります。(以下、今回の調査をSMPP調査2025と略記)。SMPP調査2025は郵送で行い、2025年1月16日に発送し3月5日までの回収分(2117人)を有効回答としました。

当研究所では今月10日、SMPP調査2025における政治や選挙についての情報源などに関する調査結果を発表しています。今回のプレスリリースは2回目で、「ニュース回避傾向」について詳しくまとめました。(本文中の数字は小数点一桁を四捨五入し、図表の数字は小数点二桁を四捨五入しています)

設問数が60を超える本調査については、研究会メンバーによる分析が継続して行われており、今後も分析結果を順次公表していく予定です。

【SMPP調査2025(第2回公表)の主なポイント】
- 「頻繁に」もしくは「時々」ニュースを避ける、「ニュース回避傾向」がある人は、全体の18%
- 世代別でみると、30代が22%と最も高く、60代が13%と最も低かった
- ニュースを「避けたい」理由のトップは、「気持ちが暗くなる・気分が悪くなる」
- 避けたいニューステーマをジャンル別にみると、「芸能(有名人のゴシップ含む)」が最も高く、次いで「戦争・紛争」
- 「頻繁に」回避している人のうち65%は「芸能(有名人のゴシップ含む)」のニュースを避け、45%は「感動を誘ったり、怒りをかき立てたりするニュース(エモいニュースなど)」を避けたいと思っている


ニュース回避傾向、「頻繁」「時々」あわせて18%
近年、ニュースを意識的に避ける人が世界的に増えているという調査結果があります。オックスフォード大学ロイター・ジャーナリズム研究所の2025年調査(ロイター・デジタルニュースリポート2025、48カ国・地域が対象)では、「あえてニュースを避けている」人の割合が40%にのぼりました。17年から11ポイント上昇し、「2024年と並んで過去最高だった」としています。

SMPP調査2025でも「ニュース回避」を調査しました。「最近、あなたはあえてニュースを避けることがありますか」と聞いたところ、「頻繁にある」「時々ある」と答えた人は、全体の18%でした。
「たまにある」人まで含めると49%となり、約半数の人たちが「ニュースを避けた」経験があることがわかりました。



設問:最近、あなたはあえてニュースを避けることがありますか。(1つだけ○印)

頻繁にニュースを避ける人の割合は、30代が最も高く60代が最も低い
世代別にみると、「頻繁に」ニュースを避ける人の割合は、30代で最も高く、全体の6%にのぼりました。「頻繁に」「時々」をあわせた場合の割合も、30代が最も高く22%でした。次いで70代以上の20%、40代の19%となり、ニュースを避ける割合が最も低いのは60代(「頻繁に」1%、「時々」12%で、合計13%)でした。




ニュースを避けたい理由、「気持ちが暗くなる・気分が悪くなる」が6割
では、なぜ「ニュースを避けたい」と思うのでしょうか。
「頻繁に」「時々」「たまに」ニュースを避けることがある、と答えた人に対して、ニュースを避ける理由について尋ねたところ(複数回答可)、「気持ちが暗くなる・気分が悪くなる」と回答した人が61%でトップでした。2番目に多かったのは「関心の持てないニュースまで知りたくない」(30%)、ほかに2割を超えた回答としては、「刺激的で関心をあおるようなセンセーショナルな見出しが多すぎる」(27%)、「事件・犯罪のニュースが多すぎる」(25%)が続きました。「テレビ番組やSNSのコメントをそのまま流用するなど、取材の手間をほとんどかけていない記事(いわゆるコタツ記事)が多い」(21%)となりました。


n数=1,037

設問:ニュースを避けたい理由は何ですか。あてはまるものをすべて選んでください。(いくつでも○印)

避けたいニュースのジャンルのトップは芸能、次いで戦争・紛争
どんなジャンルのニュースを、避けたいと思っているのか。「見聞きすることを避けたいニュースの話題」について、全員に聞きました。(複数回答可)
「避けたいニュースはない」とする回答が一番多く47%でしたが、ジャンル別にみて「避けたい」割合が最も高かったのは、「芸能(有名人のゴシップ含む)」(22%)、次いで「戦争・紛争」(19%)、「感動を誘ったり、怒りをかき立てたりするニュース(エモいニュースなど)」(18%)でした。
一方、避けたい話題として、ローカル(地元情報・街の話題)を挙げた人は3%にすぎず、教育や文化(音楽・映画・美術・読書)、科学技術・サイエンスも3%台でした。

n数=2,117

設問:あなたは、日常生活の中で、見聞きすることを避けたいニュースの話題はありますか。あてはまるものをすべて選んでください。(いくつでも○印)

【回避傾向が強い人とそうでない人で、回避したいニュースのジャンルが異なる】
また、ニュース回避傾向がある人たちを「回避の頻度」でグループ分けをし、回避したいニュースのジャンルごとに分析したところ、「頻繁に」回避しているグループのうち65%の人は「芸能(有名人のゴシップ含む)」ニュースを避けていることがわかりました。また、45%は「感動を誘ったり、怒りをかき立てたりするニュース(エモいニュースなど)」を避けたいと思っていました。これは、「たまに」ニュースを回避している人のグループの傾向(上記の2つのジャンルで、ともに25%以下)とはかなり違っていました。
一方、「経済・ビジネス」、「文化(音楽・映画・美術・読書)」、「教育」、「ローカル(地元情報・街の話題)」といったジャンルについては、「頻繁に」ニュース回避するグループのほうが、「時々」「たまに」回避するグループよりも、むしろ回避する人の割合が少ないことがわかりました。

n数 頻繁に(常に)ある=62、時々ある=322、たまにある=653

グラフ内、単位は全て%

藤村厚夫・スマートニュース メディア研究所フェロー(研究会メンバー)のコメント:
「ニュース回避傾向」は、本文中にあるように、ロイター・ジャーナリズム研究所が2017年以来注目してきた世界的な現象だ。米トランプ第1次政権の成立、新型コロナウイルス禍、そしてロシアによるウクライナ侵攻など重大なトピックスの出現が、大量のニュース(報道)を生み、これが回避傾向の背景と説明されることもあるが、現象はいまも拡大を続けており、世界の報道機関の存在意義を潜在的に脅かす課題のひとつになろうとしている。
SMPP調査2025では、回避の理由、回避対象となるニュースジャンルなどを詳細にたずね、回避傾向の年代比などを分析しているが、見えてきた重要な発見は以下のようなものである。
- 各国(ロイター・デジタルニュースリポート2025によれば、世界平均で40%)に比べて、日本での回避傾向は比較的穏やかであることが、SMPP調査でも確認された
- ニュース回避現象を最も強く示す年代は30代で22%だったが、回避した経験が「これまでに一度もない」割合が最も多かったのも30歳未満(18~29歳)と若い層だったことは、この層へのアピールを不得意としてきた報道メディアにとって、重要な発見となるかもしれない
- 避けたいニュースジャンルとして、「戦争・紛争」(19%)を上回って「芸能(有名人のゴシップ含む)」(22%)が挙がったり、「感動を誘ったり、怒りをかき立てたりするニュース(エモいニュースなど)」(18%)の割合も高かったことは興味深い。「戦争・紛争」が報道メディアにとって避けられないジャンルである一方、他の2つは、選択することができるからである。

今後は「ニュース回避傾向」のある人とない人が、どんなメディア(マスメディア、動画メディア、SNSなど)を使ってニュースに接触しているかという観点でも、回避現象をより深く分析していく予定である。


■スマートニュース・メディア価値観全国調査2025・調査概要
調査時期:2025年1月~3月
実査委託先:株式会社日本リサーチセンター
実施方式:18歳-79歳の有権者を対象に、郵送で実施
郵送調査:日本国内に居住する18歳から79歳の男女を調査対象とし、日本リサーチセンターが管理するトラストパネルの登録者から、2020年国勢調査の人口を基準として、地域・性別・年代による層化抽出を実施。

初期標本の4460に対して回収数は2117(回収率は47.5%)。
1月16日に調査票の入った封筒を発送、3月5日迄に到着した回答を有効とした。

同時に、SMPP調査2023(2023年3月実施)の回答者の中で、18歳~79歳の男女を対象として、追跡調査も実施したが、今回発表する結果は、新規対象者への調査のみとしている。


■スマートニュース・メディア価値観全国調査研究会2025メンバー
共同座長:
池田謙一 同志社大学社会学部メディア学科大学院教授
前田幸男 東京大学大学院情報学環教授

研究会メンバー(五十音順):
遠藤晶久 早稲田大学社会科学総合学術院教授
大森翔子 法政大学社会学部メディア社会学科准教授
久保文明 防衛大学校校長
小林哲郎 早稲田大学政治経済学術院教授
笹原和俊 東京科学大学環境・社会理工学院イノベーション科学系教授
長澤江美 スマートニュース メディア研究所研究員
藤村厚夫 スマートニュース メディア研究所フェロー
山脇岳志 スマートニュース メディア研究所所長


■スマートニュース メディア研究所について
スマートニュース メディア研究所は、2018年に設立されました。ニュースやメディアが社会や人々の役にたつためにはどうあるべきかをテーマに、メディアリテラシー教育の研究・実践や、世論調査などを行っています。
https://smartnews-smri.com/about/
※ SMPP調査2023の調査結果および分析については『日本の分断はどこにあるのか スマートニュース・メディア価値観全国調査から検証する』(勁草書房刊)をご参照下さい。


■スマートニュース株式会社について
スマートニュース株式会社は2012年6月15日の設立以来、「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」をミッションに掲げ、日本と米国でニュースアプリ「SmartNews(スマートニュース)」を開発、国内のニュースアプリとしては最大級のユーザー数を誇ります。2023年末からは初めてのサブスクリプションサービス「SmartNews+」を開始、子会社のスローニュース株式会社(所在地:東京都渋谷区、代表者:瀬尾傑)とともに、優れたジャーナリズムによって生まれた良質な報道や多様なコンテンツを一人でも多くの利用者に届けることに力を注いでいます。世界中の膨大な情報を日夜解析し続けるアルゴリズムと国内外の3,000媒体以上ものメディアパートナーとの強力な提携関係のもと、スマートデバイスに最適化された快適なインターフェースを通じて、良質な情報を一人でも多くの利用者に効果的に届けることで、これからも社会に貢献していく考えです。
https://about.smartnews.com/ja/

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