南海トラフ地震に備え、高知沖から日向灘で進められてきた海底観測網「N-net」の整備が完了した。これにより、津波を最大20分程度早く検知できるようになる。
想定震源域内に海底ケーブル敷設

「N-net」は、防災科学技術研究所が2019年から整備を開始。南海トラフ地震の想定震源域内で観測網の「空白域」となっていた高知県室戸市から宮崎県串間市までを海底ケーブルでつなぐシステムだ。

ケーブルの長さは、沖合が約900キロ、沿岸部が約740キロで、地震や津波を観測する装置がそれぞれ18台設置されている。

沖合側のシステムは2024年10月から先行して運用が始まり、沿岸側も6月に整備が完了。2025年秋から運用が始まる。

防災科学技術研究所 青井真研究領域長:
南海トラフ地震の発生前に完成して、正直ほっとしている。自分の命、家族の命を救えるのは自分たちが判断をして逃げることなので、少しでも我々のデータが生かされれば大変うれしい。

観測網で得られたデータは、串間市と室戸市の陸上局に伝送され、津波を最大20分程度、地震の揺れを最大20秒程度早く検知できるようになるということだ。
(テレビ宮崎)