口の中で発生した歯周病菌はどのようにして全身に悪影響を及ぼすのか。
毛細血管に入り全身を巡る
「歯周病菌に感染すると、サイトカイン(免疫システムの細胞から分泌されるタンパク質)が過剰に産生され、それがインシュリン細胞に影響を与えて糖尿病を発症することがあります。
また、歯周病菌が毛細血管に入り込み全身を巡ることで、動脈の壁にはり付いて動脈硬化を助長することがあります。アメリカの研究では歯周病の人は健康な人と比べて、狭心症などの発作を起こす確率が約3倍も高いことが報告されています」

さらに、骨粗しょう症や妊娠中の女性は早産や低体重児出産のリスクも報告されているという。
「サイトカインの量が高い妊婦は、胎児の体重が平均よりも約20%少なかったとの報告があります。
また、切迫早産の原因を調べたところ、歯茎の出血など歯周病の症状が見られた妊婦の方が、そうでない妊婦と比べて割合が高かったというデータもあります」
ではどうしたら予防できるのか。
歯ブラシで磨くだけでなく、その前後の「歯間ブラシ」と「デンタルフロス」の使い分けがポイントだと小川院長は話す。