アメリカによるイラン攻撃を受け、イランと交流を続けてきた陶芸家や協会に深い悲しみが広がっています。現地で活動していた日本人女性と連絡が取れなくなっていて、不安が募るばかりです。

■イランと交流する陶芸家「これが人間のすることだろうか」

ジェイアール名古屋タカシマヤでは、陶芸家・七代加藤幸兵衛さんの展覧会が開かれています。会場には、皿や坪など90点が展示されていて、砂漠の中にあるオアシスを表現した鮮やかな”ペルシアンブルー”が特徴の陶器もあります。

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陶芸を通してイランとの交流を進めている加藤さんは今、心を痛めています。

七代加藤幸兵衛さん:
何の罪もない市民の人たちが殺されたりケガをしたり。これが人間のすることだろうかという気持ちですね。

日本時間の2025年6月22日、アメリカがイランを攻撃しました。「真夜中の鉄槌」と名付けられた今回の作戦では、地下貫通爆弾「バンカーバスター」14発がイランの国内の3カ所で使われたということです。

■交戦がひどくなってから音信不通…不安募る関係者たち

東海イラン友好協会で事務局を務める中嶋さんは6月23日、つらい胸の内を語りました。

東海イラン友好協会事務局の中嶋英子さん:
すごい心が痛いです。

2016年に設立された協会には、全国のおよそ60人が所属していて、コロナ禍前はイランへ出向いて博物館を周るなど文化交流を進めてきました。

東海イラン友好協会事務局の中嶋英子さん:
メッセージをこの前送りましたけど、交戦がひどくなってからは返事が来ていないので。

協会が現地で活動する時にコーディネートやサポートを務める日本人女性と、6月13日を最後に連絡が取れていないといいます。

東海イラン友好協会事務局の中嶋英子さん:
テヘランに住んでいらっしゃるので、「1時間半ぐらい離れた所に向かっています。今のところは安全ですのでご安心ください」って。その後は読まれたみたいなんですけど…。

メッセージには”数多くの都市が攻撃された”の文言も。取材中にも電話をかけてもらいましたが、女性の応答はなく、中嶋さんの不安は募るばかりです。

東海イラン友好協会事務局の中嶋英子さん:
呼び出し音は鳴っていますね。出られないですね。Wi-Fiがつながっていないとか電源とかの問題とか、どうなっているのかなという感じですよね。むちゃくちゃ心配ですね。

2025年11月、作品を寄贈するためにイランに行く予定だった加藤幸兵衛さんですが、今回の交戦で一旦見送ることにしました。

七代加藤幸兵衛さん:
特に文化の発達ということに関しては非常に大きなマイナス点であって、せっかく築きあげた文化が戦争によって衰退したり破滅したり、ですから本当に今回の戦乱は心を痛めております。

(東海テレビ)

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