激化するイランとイスラエルの軍事衝突。遠く日本から祖国を思う1人のイラン出身の女性がいた。女性は「早くこの戦争が終わって平和が来るように、安心して暮らせるように願っています」と話す。
“変造テレカ”でイラン人の摘発相次ぐも「いいところ紹介しようと」
イラン出身の吉成ナヒードさん（56）は、「イランは本当にすごくいい国で…。テヘランの街はモダンな街で今っぽいというか。そういうところを攻撃するのは許せません」と憤る。
吉成ナヒードさんが来日したのは約30年前。
そのころ、日本には多くのイラン人がやってきたという。
当時、上野公園などに集まり、“変造テレフォンカード”の売買行為が問題になり、イラン人の摘発が相次いでいた。
そうしたイメージにナヒードさんは「（当時）イラン人は大丈夫？とか危なくない？と思われていた。イランのいいところを紹介しようと思った」と話す。
イラン・イラク戦争時…心の支えは日本のドラマ「おしん」
1980年に勃発した｢イラン・イラク戦争｣。
当時10代だったナヒードさんは、戦争の悲惨さを肌で感じたという。
その頃、“心の支え”となっていたのが“日本のドラマ”だった。
イラン出身・吉成ナヒードさん：
「おしん」の放送のために友達や親戚の家に行って…。必ず「おしん」を見たいから。
NHKの連続テレビ小説｢おしん｣は、日本で1983年に放送された。
戦前から戦後の激動の時代を生きたヒロインを描いたドラマが、戦時下のイランで放送されると瞬く間に人気を呼び、放送中は街から人影が消えるほどだったという。
ナヒードさんは「みんなが見ていて、私も強くならないといけない、がんばらないといけない気持ちを『おしん』からもらった」という。
フリーアナウンサーの傍らペルシャ料理の魅力伝え
ナヒードさんは現在、日本でフリーアナウンサーをする傍ら、イランを知るきっかけにしてほしいとの思いから料理教室を開き、家庭で楽しめるペルシャ料理の魅力を伝えている。
刻一刻と深刻さが増す“イラン情勢”。
ナヒードさんは、今も祖国にいる友人のことを思うと、心配で夜も眠れないという。
イラン出身・吉成ナヒードさん：
昨日も全然寝られなくて。（スマホを）ずっと見ていて。ちょっとだけでも情報を、今どうなっているのか、大丈夫なのかとか…。
早くこの戦争が終わって平和が来るように、安心して暮らせるように願っています。
（「イット！」 6月20日放送より）
