戦後80年を迎え、戦争の悲惨さを語り継ぐことが難しくなる中、広島の高校生たちが被爆者から聞いた体験を描いた絵を展示する催しが、大野市と勝山市で開かれています。
がれきに挟まれた女性に、足をつかまれた少年-
この絵を描いたのは、広島の爆心地に程近い基町高校の生徒たちです。生徒たちは、被爆者から長い時間をかけて話を聞き取り、次の世代に受け継ごうと原爆の絵を描く活動を20年近く続けています。
戦後80年がたち、戦争の記憶を風化させてはいけないと、奥越の市民団体が大野市と勝山市の会場で高校生の絵のパネル展を企画しました。
大野市の会場では、基町高校の生徒の絵や当時の写真など約60点が展示されています。
被爆直後、全身にやけどを負った人たちが水を求めて川に入る様子や、意識を取り戻し衝撃と怒りと悲しみに立ち尽くす少女など、原爆の恐ろしさがありありと描かれています。
来場者は―
「悲惨ですね。こんなにひどかったとは…絵を見て思った」
「もう二度と戦争はしてはいけないと思う」
奥越平和ネットワークの林繁樹さんは「親も戦争に行っていたとか、年配の人は戦争は絶対にしてはいけないという話をするが、最近の若い人の中には、全く見向きもしないで行ってしまう人もいる」と話します。
原爆の悲惨さを伝える高校生の絵や資料の展示は、大野市と勝山市で22日まで開かれています。