福井県内でも有数の豪雪地帯、勝山市北谷町では、冬の雪を生かした天然の冷蔵庫「雪室」が18日に開封され、地区の人たちが室の中に寝かせていた野菜やコメなどを運び出しました。
     
雪室は、2025年2月下旬、勝山市北谷町のコミュニティセンターの一角に、メンバーたちがコンテナの周囲を3メートルの雪で覆ってつくり、コンテナの中にも雪が詰めました。
 
18日は、雪室で地域を活性化しようと取り組むメンバーが集まり、周囲を覆う5枚のシートを一枚ずつ外していきました。最後のシートがゆっくりと外されると、雪に覆われたコンテナが姿を現しました。この暑さの中、まだ雪が残っていて、ひんやりとした冷気が立ち込めています。
    
メンバーたちはさっそく、雪室で貯蔵していたコメや野菜、酒などを運び出します。「ものすごくおいしそうな感じ」「冷たくておいしそう」「みずみずしいね」
 
雪室は温度や湿度が一定に保たれるため、野菜などがみずみずしく甘みも増すとされている天然の冷蔵庫です。貯蔵していたのは、北谷町特産の「鯖のなれずし」のほか、地元産のコメやソバの実、ダイコンやニンジンなど15種類です。
   
野菜を切って食べてみると…「甘い、みずみずしい。本当においしいわ!」水分を多く含み甘みが増していて、雪室の効果は上々のようです。
  
この雪室プロジェクトは3年目で、北谷町区長会が中心となって、“厄介者”といわれる雪で雪室をつくり地域おこしをしようと取り組んでいて、貯蔵した野菜などのブランド化を目指しています。
   
山内副会長は「(地元住民は)雪の時期は『また、雪か』という感じだったが、雪室をつくることによって、雪が降ったら空からお金が降ってくるような気持ちになってもらえればありがたいと思う」と話します。
  
貯蔵されていた食品は、21日に北谷町で開かれる「雪中貯蔵くら出し祭り」で販売されます。

福井テレビ
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