今週は梅雨とは思えない厳しい暑さになっている。
すでに熱中症により症状が重篤化する事例や死亡する事例も出てきた。
熱中症により、年間死者数は年によっては1000人を超えることもあり、台風や大雨による災害よりもかなり多い。
近年は地球温暖化の影響も加わり、暑すぎる夏が日常化していて、梅雨も盛夏ととらえた方が良いのかもしれない。
日本周辺の海面水温が急上昇
この暑さが原因で、日本周辺の海面水温が急上昇している。
四国沖の太平洋では、6月1日時点で海面水温が高い所で24度ぐらいだったが、6月中旬から急上昇して。17日には高いところで27度ぐらいになった。
山陰沖の日本海でも6月1日時点で18度だった海域が、17日には21度になった。
関東の沖合などでも海面水温が上昇している。

平年比では、6月1日時点では平年並みかやや低い状態だったが、17日には、山陰沖・四国沖ともに平年より高くなり、特に四国沖では平年より2度ぐらい高い海域も現れた。

海面水温の上昇は、天気に大きな影響をもたらす。
いつもの年と違う場所に高気圧や低気圧を作ったり、偏西風の流れを変えてしまったり、気温を下げにくくしたり、ゲリラ雷雨や線状降水帯発生の原因になったりする。
もし、台風が来るようなことがあれば、台風が日本に近くで発達することになる。
海面水温が及ぼす大気へのインパクトは、ゆっくり、じわーっと表れるので、影響をすぐには検証できないが、今後注目していきたい。
西日本や東日本では来週にかけて厳しい暑さが続きそうだ。
熱中症には十分注意してほしい。
執筆:三井良浩(フジテレビ気象センター)