月としては異例の猛暑に各地が見舞われ、山梨・甲府市では38.2℃と全国最高気温を記録した。今年初の猛暑日となった東京都内では、54人が熱中症搬送され、訪問介護では高齢者宅のエアコン使用確認など、命を守る対策がされている。

各地で異例の猛暑「熱中症警戒アラート」も

17日午後3時過ぎの群馬・高崎市。立っているだけで額に汗がにじむ。

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取材班:
高崎駅前に気温計があります。午後2時45分ですが、37℃です。37℃、暑いです。奥に太陽があるんですが、非常に日差しが強いですね。

この日、高崎市上里見では、午前10時41分に最高気温が37.7℃まで上昇した。

取材班は、ネクタイにスーツ姿の会社員に話を聞いた。

会社員:
すごい暑いです。(一番暑いのは)首元ですね。

取材班:
私の半袖の服はどう思いますか?

会社員:
うらやましいです。

17日、全国一の暑さとなったのは山梨・甲府市で38.2℃を記録。ハトも日陰で羽を休めていた。

東京駅前では、大阪から来たという大きなリュックを背負った旅行者が汗だくになっていた。

旅行者:
蒸し暑いですね。1回北海道に行ってきてるので、暑さが違う。背中がめっちゃ暑い。蒸れてる感じで、早くどこかに下ろしたい…

東京でも八王子市で36.8℃、青梅市で36.1℃まで気温が上がり、都内も2025年初めての猛暑日となった。

取材班がウェディングフォトを撮影中の人に話を聞いた。

取材班:
タキシード脱げない?

ウェディングフォト撮影中の人:
撮影中は暑いけど我慢して…

ウェディングフォト撮影中の人:
日陰とか日傘さして(撮影している)。

厳しい日差しが照りつけた東京都心の最高気温は34.8℃と、今年一番の暑さになった。6月の列島を襲ったいきなりの真夏の暑さに、街からは危険を感じるとの声も上がった。

街の人:
暑さがすごいので気をつけないと(体調不良など)怖いですね。

街の人:
もうちょっと呼吸できない。結構汗かいてきて、メイクも崩れてきて。

千葉県や茨城県では、今シーズン初めてとなる「熱中症警戒アラート」が発表された。

危険な暑さへの警戒が求められる中、千葉・富津市の海岸では、潮干狩りを楽しむ人たちがいた。取材班は、東京から来た家族連れに熱中症対策を聞いた。

東京から来た人:
テント立てて、中に扇風機置いてという感じで。多少それで日よけになるのかな。去年は7月に結構バテちゃって、自分が体力的にきつかったので、今年はその辺を気をつけながら生きていこうかなと思います。

列島が体温超えの危険な暑さとなる中、命を守るための取り組みも進んでいた。

イット!が午前11時頃に向かったのは、埼玉・熊谷市の建設現場だ。

取材班:
背中の辺りを見ていただきたいんですが、ファンが付いていて、作業服で熱中症対策が取られています。

日中の熊谷市は37.2℃まで気温が上昇。現場には、作業員を暑さから守る数々の工夫がされていた。

作業員:
水をタンクに入れてミストが出る扇風機です。

取材班:
いつから導入されたんですか?

作業員:
これは今日初なんですよ、暑くなってきたんで。

17日から導入したという「ミストが出る扇風機」に加え、製氷機も準備されていた。

作業員:
製氷機、これで勝手に氷ができるので誰でも使えるように。

氷を食べて、体の中から冷やして熱中症予防をしている。さらに「塩分補給」のため、冷蔵庫で冷やしているのは、カリカリ梅だ。

現場管理担当:
種もないので食べやすいです。

取材班:
今日は食べました?

現場管理担当:
食べました。2粒食べました。

熱中症患者の搬送が6月に入り急増

体温超えの暑さとなった熊谷市。市内の総合病院では、午後になり、熱中症とみられる症状で患者が続々と救急搬送されてくる。その多くが高齢者だった。

医師:
エアコンそのものはあります?

患者:
あります。

医師:
あまり好きじゃない?冷えるのが。

患者:
好きじゃない。

病院によると、5月までは例年より少なかった熱中症患者の搬送が6月に入り、急増したという。

埼玉慈恵病院・藤永剛副院長:
暑さそのものもダメージになるし、寒暖差で体がついていかない部分もある。とにかく注意しないといけないのは、去年も6月後半から熱中症患者の搬送が増えた。

東京消防庁によると、都内では午後3時までに54人が熱中症により救急搬送され、2025年最多を更新。このうち、60代男性と70代女性の2人が重症だ。

また、愛知県と三重県で合計73人が熱中症とみられる症状で搬送された。愛知・岡崎市では、校外学習をしていた小学生5人が体調不良を訴え、救急搬送されている。

こうした中、17日午後2時過ぎ、東京・三鷹市では高齢者の命を守る取り組みが行われていた。

カイゴいるてと・前川武嗣代表:
こんにちは。お元気そうで。

高齢者の自宅を見回る訪問介護の定期巡回だ。訪ねた86歳の男性の自宅で、まずチェックしたのはエアコンだ。

カイゴいるてと・前川武嗣代表:
エアコンついてます?

86歳男性:
ついています。

カイゴいるてと・前川武嗣代表:
温度設定もこまめに見てください。結構下げていますね、いい感じ。

男性は、2024年11月に脳梗塞で倒れ、退院したばかりだ。突然の暑さに戸惑っていた。

86歳男性:
(エアコンは)電気代食うから、かけないようにしてたんだけど、暑くなって死にたくないから。

この危険な暑さは、18日がピークになる。引き続き、熱中症への厳重な警戒が必要だ。
(「イット!」6月17日放送より)

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