ドジャースの大谷翔平選手(30)が663日ぶりにマウンドに帰ってきた。投げては最速161キロで、打っては2打席連続タイムリーで大活躍。日米が注目した“二刀流復活”の1日を取材した。
大谷翔平投手、注目の初球は157キロの変化球
本拠地ドジャースタジアムには、試合開始の5時間以上前から、その時を待ちわびるファンが集結していた。

ドジャースファンからは、「本当に待ってました」「なるべく早く空気を感じたくて来ました」といった声が聞かれた。
お目当ては「大谷さんのピッチングですね」と答えてくれた家族だったが、「残念なことに明日のチケットなんです(笑)」「だけど今日放るから、ちょっと外から見ようかなと思って」と明かしてくれた。
663日ぶりのマウンドを待ちきれないのは、ファンだけではなく、ポストシーズンのように日米多くの報道陣がかけつけ見守っていた。

そして、いよいよその時がやって来る。
パドレス戦に、「1番・投手兼指名打者」で先発登板した大谷選手。
初回から総立ちとなったドジャースタジアム。万雷の拍手の中、大谷選手は663日ぶりのマウンドへ帰って来た。

注目の初球。157キロの変化球で、ファウルを打たせると、5球目。
158キロの直球で、空振りを奪うと、大きな歓声が上がった。
その後、不運なヒットを許すが、2番打者・アラエス選手の4球目に、161キロをマークし、スタジアムがどよめいた。
この後、犠牲フライで1点を失うが、後続を打ち取り、“二刀流”復帰初マウンドは、1イニングを28球、2安打、1失点で終えた。
打者・オオタニでも3試合連続のマルチヒット
マウンドを降りると、ベンチへは戻らず、大急ぎで打者の準備し、汗を拭う間もなく、バッターボックスへ向かった。
投手オオタニから、打者オオタニへ…第一打席は、空振り三振に倒れ、ようやくベンチに戻ると、汗を拭いながら食い入るようにタブレット端末を見つめ、自分のプレーを振り返っていた。

そして第2打席、1点を追う3回裏、ツーアウト、ランナー3塁の場面で、回って来ると…ヒットで走者をかえし、自らのバットで、試合を振り出しに戻した。
その頃、試合を放送していた渋谷にあるスポーツバーでは集まった客から歓声や拍手があがっていた。

スポーツバーで観戦していた人:
取り返しちゃいましたね!もうね、カッコいい!かっこ良すぎる!
さらに、第3打席でも…ライト前に2打席連続のタイムリー。3試合連続の複数安打で、チームはこの回一挙5得点を挙げる。
スポーツバーで観戦していた人:
打った!(拍手)うれしい。ホームランじゃなくてもうれしい!
平日にもかかわらず、大谷選手の大活躍もあってかランチタイムには、満席となった。

スポーツバー「Fields」田中守店長:
昨日からワクワク状態で。きょうも1時間ぐらい早起きして、早めに店に行こうって。
スーパーでも“二刀流”価格 地元岩手・奥州市にもファン
“二刀流”は、スーパーでも“復活”していた。

新鮮市場 東本郷店 飯田智成店長:
きょう大谷選手が二刀流復活ということで税抜き2個210円、二刀流でやってます。

「二刀流(ニ・トーりゅう)」で210円セール、さらにコロッケは背番号にちなんだ17円セールを実施していた。
客:
二刀流セールやってるって聞いたんで。
(活躍)してもらえれば、またドンドン安くなると思うので、助かりますよね。

大谷選手の地元、岩手県奥州市では、16日にお披露目された特製マンホールに熱烈なファンが集まっていた。
大谷ファン:
17日、背番号17番、大宮駅を17番線の新幹線に乗って、席も17番をとって、私も17日生まれなんです(笑)大谷選手、二刀流復活です、本当うれしいです!
岩手の宝の活躍に、岩手県民もこう喜んだ。

地元ファン:
お子さんも生まれて、言ったら“三刀流”じゃないですか。
これから日本代表としても色々活躍する場面があると思うので、投打で、そして子育ての“三刀流”でガンバって欲しいと思いますね。
663日ぶりの“二刀流”復活に、パドレスのダルビッシュ有投手は、「一安心というか、やっぱり本人が一番不安があったと思いますけど。ああいうパフォーマンスを見せたので、本人が安心そうなので、ちょっと嬉しかった」とコメントした。
大谷自身は、「結果的にはそこまで良い結果だったとは言えないですけど、まずきょう投げ終えて、また次も投げられそうな雰囲気があることが、まず一歩前進かなと思います」とした上で「1点取られて、バットで2点返して1イニング消化したと思えば、トータルで見れば、プラスかなと思うので、1試合通しては良かったんじゃないかなと思います」と評価。
復活の1日のヒーローインタビューを「良い1日だったと思います」としめくくっていた。
(「イット!」 6月17日放送)