鯖江の玄関口、ハピラインふくいの鯖江駅前で16日から、実験的に駐停車を禁止とする取り組みが始まりました。ラッシュ時間帯の混雑緩和の方策などを探り駅周辺の再整備に生かそうと市が実施する、この社会実験。利用者の反応やその効果を取材しました。
朝の通勤ラッシュを前にした16日午前7時、ハピラインふくい鯖江駅。
駅前の道路に、停車禁止を示すバリケードが設置され、道路幅を通常の約半分に狭めました。
警察官が歩行者の安全を見守り、誘導員は駅利用者を送迎する車をロータリーへ誘導します。
鯖江駅は西側に駅の入口があり、その駅西側の道路は片側一車線で送迎用の乗降場がなく、朝夕のラッシュ時には周辺道路が混雑。見通しが悪くなるなど安全面の課題がありました。
駅を利用する高校生は―
「(駅前の駐停車は)危ないと考える人もいるが、家から車で送ってもらうときに楽に下りられるスペースは欲しい。そうじゃないと電車に乗り遅れる可能性もある」
孫の送迎に来た女性は―
「孫が電車で高校に通う。いつもは駅前のコンビニの前に停められるので楽だったが、車が走ってくるので罪悪感はあったし、(孫が車から)なかなか降りられなかった。この場所があるなら駐車場に停めた方が安心」
送迎による混雑が駅西側に集中していたことから、市は東西への混雑の分散を狙いました。
利用者の多い西側はロータリーに誘導して停車ができるようにし、東側には隣接する駐車場に仮設のロータリーを設けました。
鯖江市の担当者は「先週から職員によるビラ配りなどの周知をしていて、東側への利用客の分散がみられる。初日は先週に比べると西口の利用車両は減ったと感じる」と一定の効果を感じています。
初日の16日は、ラッシュ時に東西を利用する送迎の車は、朝はほぼ同数、夕方から夜は東側の利用が西側の2倍に上りました。
市は一定の渋滞緩和の効果はあるとみて、20日まで社会実験を行います。
鯖江駅は市の玄関口でもあり、まちづくりの重要な拠点の一つ。市は、駅周辺の再整備に向け計画を進めていますが、事業費の上振れから見直しを図っています。
この社会実験を踏まえ、2025年度中に再整備の方向性を決めたいとしています。