木村知事は6月13日に熊本県立大学で半導体関連の人材育成に向けた新たな学部の設置を検討していると明らかにした。6月16日の会見で、創設時期について「2027年度のスタートを目指す」という。
木村知事も黒田理事長の手腕に期待
台湾の半導体製造大手・TSMCの熊本・菊陽町進出に伴い、関連企業が集積している熊本県内では、半導体関連の人材の育成と確保が課題となっている。

そんな中、熊本県立大学では、2024年に半導体研究の第一人者・黒田忠広さんが理事長として就任し、半導体関連の人材育成の拠点づくりに意欲を示している。

6月13日の熊本県議会で木村知事は黒田理事長の手腕に大きな期待を寄せているとし、「県立大学を活用して、半導体関連人材の新たな育成環境を作ることで考えが一致している」と述べた。

木村知事は「県としても県立大とともに、半導体関連人材の育成にかかる新たな学部の設置も含めて、スピード感をもって本格的な検討を進め、2025年の秋までにその方向性を示したい」と述べた。
「黒田理事長を中心としたチームに期待」
半導体関連の人材育成を巡っては熊本大学で、2024年度に学部に相当する『情報融合学環』を設置し、工学部には『半導体デバイス工学課程』を設けている。

また、熊本県立技術短期大学校や熊本県立水俣高校でも半導体の関連学科を設けるなど人材育成の取り組みが広がっている。

議会後、取材に応じた木村知事は「まずは国内だが、研究者が黒田理事長とともに熊本に来てくれることを期待している。もう一つは、黒田理事長を中心にしたチームで、産学連携の何かのプロジェクトが熊本でできないか、期待している」と述べた。

熊本県と熊本県立大学が会見 2027年度に
6月16日の会見には木村知事や、半導体研究の第一人者で熊本県立大学の黒田忠広理事長などが出席。黒田理事長は「半導体人材の教育を行うことがこの時代、この地域に住む者の責務」とし、2027年度に新しい学部を含めた教育システムのスタートを目指すとした。

熊本県立大学の黒田理事長は「第3工場(が建設されるならば)2030~31年ごろだろう。そのための準備として2027年度に新しい人材教育のプログラムを発表して、(卒業の)4年後の2030年度には人材を輩出できる計画を持つことが必要」と展望を述べた。

また、木村知事は「県と県立大がしっかり連携して、県もしっかりコミットして検討を重ね、ことし秋までに大きな方向性を示したい」と話した。

熊本県立大では、既に堤裕昭学長を委員長とする検討委員会を設置。学部とするか学科とするかや、学生数などについては2025年秋までに方向性を検討し、改めて発表する予定。

施設については、当初は東区のキャンパスを使用し、先行して半導体関連の人材育成を行っている熊本大学とも教育設備の共有などで連携していくとした。
(テレビ熊本)