全国屈指の高校ラグビーの強豪、東福岡高校ラグビー部がサポートする中学生向けの“習い事”が、今春からスタートした。目的は、人間形成。その意外な内容を取材した。

チームのためにできることを考える

福岡市博多区の東福岡高校。ラグビー部の総部は1955年。これまで全国高校ラグビー大会で7回の優勝を誇り、2026年3月に行われた全国高校選抜ラグビー大会でも優勝するなど、言わずと知れた全国屈指の強豪校だ。

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この日、ラグビー部のグラウンドに続々とやってきたのは、県内各地から集まった中学生。普段は、それぞれ地域のクラブチームなどで練習をしている。

中学生が参加するのは、今春から始まったラグビーアカデミー。『HIGASHI RUGBY ACADEMY Thinkers(シンカーズ)』。

東福岡高校ラグビー部のサポートのもと、中学生を対象にして週に2回、行われている。

「右手の人差し指をこう、左手の親指をこう」と高校ラグビー部の現役選手の指導が入る。

中学生を指導するのは選手だけではない。14年に渡り、強豪『ヒガシ』を率いている藤田雄一郎監督(53)も直々に指導を行う。

「めちゃくちゃ新鮮で楽しい」。「東福岡高校ラグビー部は、昔から憧れている存在」。「高校ジャパン候補の先輩からいろいろ教えてもらって嬉しい」と中学生にとっては、素晴らしい時間になっているようだが、このアカデミーは、単なるラグビー教室ではない。

東福岡高校ラグビー部のコーチングコーディネーター、田原耕太郎さんは「シンカーズという名前のもと、チームのために何ができるかをひとりひとりが考えるというということを目的としている-」

「-ラグビー以外のいろんなコンテンツから、特に人間形成の部分を学んで欲しいというのが僕らの思いです」と語る。

ラガーメンが何故か調理学校に

ラグビーだけではない学びの場とは?  後日、アカデミーが開かれている場所を尋ねてみると、そこには三角巾を付けるのに手間取る学生やエプロンの紐を結ぶ学生の姿があった。

福岡市中央区の中村調理製菓専門学校で行われていたのは料理の授業。ぎこちなく玉ねぎを切ったり、ネコの手でハムを切ったり慣れない手つきで食材を刻む中学生たち。

この日のメニューはカレーピラフ。協力しつつ調理をしているが、どのような部分が人間形成に繋がるのか?

コーチングコーディネーターの田原さんは「ラグビー以外でチームワークをどう活かすのか。料理はすごくよい勉強になる。そのなかでしっかり自分がチームのなかで役割を果たせるかを料理しながら学んで欲しいというのが一番の狙い」と話す。

異なる学年の子どもたちがグループを作り、リーダーを中心にそれぞれ考えて作業を分担する。

悪戦苦闘しつつもカレーピラフが完成。中学生たちは「100点の出来です。チームワークも100点です」と美味しそうにピラフを頬張る。

なかには「カレー粉を入れ過ぎました。カレー粉、全部入れました」と話す中学生も。「ひ~」と言いながらも完食していた。

食事を終えると後片付け。ここにも人間形成に繋がるポイントがある。

「礼儀の部分ですね。中村調理製菓専門学校に場所をお借りしていますので、水滴ひとつない状態できれいにするというところを徹底してやっている」と話すコーチングコーディネーターの田原さん。

調理台もきれいに拭きあげ、シンクには一滴の水滴もない。

ラグビー以外でも活躍できる人材を

ラグビー強豪校がサポートする少し変わった“習い事”。保護者に訊くと「日本一になった東福岡で学びたいと言って、久留米から通っています。規律をしっかり守るとか自立も学んでもらいたいと思っています」(母親)

「ラグビーだけにとらわれず、広いところから経験と見方ができるというのは非常に良いと思う」(父親)と概ね好評のようだ。

コーチングコーディネーターの田原さんは「ラグビー以外のところでも活躍できる人材を育てたい。まずは規律だったり、礼儀の部分だったり、それが絶対、人間形成に繋がりますし、ラグビーのパフォーマンスの大前提。そういう部分をしっかり学んで欲しい」と期待を寄せる。

東福岡高校ラグビー部主催ではなく、あくまでサポート。

「僕らが大事にしているのは、人間性。グラウンドを離れたときに高校生としてどうあるべきか。そこを最初に言って、その次にラグビーを教えているので、その部分を特に中学生に学んでほしい」(『東福岡高校ラグビー部コーチングコーディネーター』田原耕太郎さん)。

(テレビ西日本)

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