薄着になるこの季節、気を付けたいのがこのムシ。
皮膚炎を引き起こす毒をもつ「マイマイガ」の幼虫。2025年は北海道各地で大発生の兆候があり注意が必要だ。

マイマイガの幼虫が上川町で大発生
北海道北部の上川町の公園。子どもたちが遊ぶ遊具を見てみると。
「公園の遊具にもマイマイガの幼虫と思われる虫が大量に発生しています。子どもたちが触れるとかぶれる危険性もあり、非常に危険な状況です」(古沢哲也記者)

遊具や木の上にはマイマイガの幼虫があちこちに。さらに住宅街の別の場所でも確認されている。
「壁の所に卵を産みつけていって、それが”ふか”した」(上川町民)

町内で20年ほど暮らしている住民も、ここまで大発生したのは初めてだと言う。
「朝ほうきではいたり、つぶしたりしたけどあまりの多さに…薬剤をまかなければ」
「気持ち悪いという話ばかり聞く。小さい幼虫はいたるところで見る」(いずれも上川町民)

皮膚炎を引き起こす毒をもつマイマイガの幼虫。
7月上旬にかけて脱皮を繰り返し成長し、7月下旬からは成虫に。
2009年には十勝の本別町で大発生し、住民生活に大きな影響をもたらした。

上川町では、5月中旬ごろからマイマイガの卵の目撃情報が相次ぎ、役場庁舎でもふかの時期を迎えていた。
「今まさに卵塊からふかして出てきた幼虫です。小さくて非常に見づらいです」(上川町税務住民課 畠山直樹さん)

触れるだけで皮膚に“かぶれ”
上川町では5月から駆除作業をしているが、職員の畠山さんは作業の中で幼虫の毛に触れて皮膚がかぶれてしまった。

町は住民自身でも対策ができるよう、殺虫剤の噴霧器を無料で貸し出している。
「これから相談も増えてくると思いますので(適宜)アドバイスしていきたい」(畠山さん)

取材を終えたスタッフが帰ろうとすると車に糸のようなものが。
「ああ!おそらくマイマイガではないかなという感じですね」(畠山さん)
マイマイガの幼虫はふか直後に糸を吐いてぶら下がり、風に乗って移動する。糸を見かけたら近くに幼虫がいる可能性があるので、注意が必要だ。

現状と対策は?
専門家によると、マイマイガは約10年周期で大発生すると考えられていて、2010年ごろには上川や日高で大発生が確認されていると言う。いまの状況は。
「2024年から空知、上川、留萌では(マイマイガが)多く見られている。大発生が起きているというよりはこれから大発生が起きそうな状態」(道総研林業試験場 内田葉子さん)

大発生を防ぐためには、幼虫のうちに殺虫剤をかけたりはしや火ばさみなどでつまんで駆除すること。いまが肝心だ。
「一度脱皮すると毒の毛はなくなるが、鋭い毛が刺さったりするので気を付けてほしい」(内田さん)
リンゴやナシ、シラカバ、カラマツなどの葉を食べるという幼虫。十分ご注意を。
