富山市のスーパー「原信 呉羽店」で政府の備蓄米の販売が始まり、開店前から長蛇の列ができる熱気に包まれた。整理券は配布開始からわずか7分で品切れとなる人気ぶりだった。

夜中から並ぶ人も、5キロ2160円の備蓄米に殺到

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「配布終了です」

10日朝、原信呉羽店の店員がそう告げた時、店の外には多くの人が既に並んでいた。開店の30分前に整理券の配布が終了したのだ。

この日販売されたのは2022年産の「古古米」で、価格は5キロで税込み2160円。混乱を防ぐため、開店の9時前に用意された240枚の整理券はわずか7分でなくなった。

「あさ3時。大変。お尻痛い。コメも底ついてきているから一回食べてみようかなと思って」と、早朝から並んだ買い物客は語る。

原信呉羽店の中島康太店長は「HPで告知してから1日40件の問合せがあった。コメが高いという客の声が多いので2000円代で販売したいという考えには共感して販売できた」と話す。

終電で富山入り、真夜中から並んだ氷見市の男性

最も早く備蓄米を手に入れたのは、氷見市から来た金井さん。9日の終電で富山市へ向かい、夜中の12時から並んだという。

「いつもと同じお米の感じ」と、早速自宅で炊いてみた金井さん。普段は近所のスーパーで5キロ4000円ほどのコメを購入しているという。

試食した感想を聞くと「いつものお米よりは薄い感じはする」と前置きしつつも、「噛むとちゃんと甘みがある、いつもお米とそんなに味は変わらない、非常においしい。並んででも買いたいくらいちゃんとした味も甘みもある。なおかつ安いのでこれなら毎日食べられる」と満足げに語った。

店側も「令和6年産の玄米に比べて精米の歩合は高めにしておいしく食べられるように工夫した」と話す。

県内各地で続々と販売開始、最安値は1980円

「原信」の運営会社は1110トンを調達しており、今後は県内の他の店舗でも販売を予定している。県内では週末にかけて続々と店頭に備蓄米が並ぶ見通しだ。

発売日が決まっている店舗をまとめると、ドラッグストアの「クスリのアオキ」では県内全95店舗で12日午前9時から5キロ・税込2139円で販売を開始する。高岡市のスーパー「ラ・ムー」は13日から5キロ・税込1980円、アルビスは大島店のみで14日午前9時から5キロ・税込2139円で販売する。いずれも2022年産の備蓄米となる。

一方、コンビニ大手のローソンは2021年産の備蓄米を14日から2キロで税込756円で販売する予定だ。

小泉大臣は、新たに2021年産と2020年産の備蓄米合わせて20万トンを追加で放出すると表明している。備蓄米の流通で価格の安定につながるのか、今後の動向が注目される。

子育て世代からも「最近子どもが大きくなり食べる量が増えたので、チャーハンにすればいいので気にしていない」という声が聞かれ、家計の負担軽減を求める消費者のニーズに応える形となっている。

富山テレビ
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