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プレスリリース配信元:ALL DIFFERENT株式会社

新入社員意識調査2025(3933人の仕事の価値観編)




累計20,000社420万人以上の組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞崎大輔)および「人と組織の未来創り(R)」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所(R)は、2025年3月25日~4月24日の期間で、2025年度入社の新入社員 3,933人を対象に「新入社員意識調査」を行いました。本リリースでは、4月に入社を迎えた新入社員の仕事への価値観に関する調査結果を公表いたします。

背景
新型コロナウィルスの影響は落ち着き、売り手市場といわれる中で就職活動を経験した2025年度の新入社員は、当社の調査結果*より、入社直前に99%以上が「この会社で頑張ろう!」と高い意欲を持っていました。このようなやる気が高く、晴れやかな気持ちで社会人生活をスタートさせた新入社員は、仕事や働き方に対してどのような価値観を持っているのでしょうか。過去11年間の新入社員に実施した回答結果と比較し、今年度の新入社員の特徴を明らかにします。



*入社直前意識調査(入社の心境編)
https://www.all-different.co.jp/app/uploads/all/news_20250404.pdf
調査結果の詳細

1. 仕事を通じて成し遂げたいこと「安定した生活」過去最高の6割超、「自身の成長」過去最低

初めに、2025年度の新入社員に対し、仕事を通じて何を成し遂げたいか質問しました。
結果、「安定した生活を送りたい」と回答した割合が65.6%と最も高い結果になりました。次に、「自分を成長させたい」が50.1%、「家族に恩返しをしたい」が44.9%と続きました(図1)。



新入社員が仕事を通じて成し遂げたいことについて、2017年度から9年間、各年度の新入社員に質問をした結果を比較しました。結果、「安定した生活を送りたい」と回答した新入社員の割合(折れ線グラフのオレンジ色)は、2019年度の54.3%を境に年々増加傾向にあり、2025年度は65.6%と過去最高の割合になりました。

一方、「自分を成長させたい」と回答した新入社員の割合(折れ線グラフの青色)は、2020年度の64.1%を境に減少傾向にあり、2025年度は過去最低の50.1%となりました(図2)。



2. 今後取り組みたい仕事、「楽しくてやりがいのある仕事」約7割が回答しトップに

次に、今後どのような仕事に取り組んでいきたいか質問しました。
結果、「楽しくてやりがいのある仕事」と回答した割合が69.1%となり、他項目より突出した結果になりました。次に、「自身の成長につながる仕事」が41.4%、「楽しく取り組める仕事」が35.3%と続きました(図3)。



新入社員が取り組みたい仕事について、2019年度から7年間、各年度の新入社員に質問をした結果を比較しました。結果、「楽しくてやりがいのある仕事」と回答した新入社員の割合(折れ線グラフのオレンジ色)は7年連続でトップを維持していました。

「自身の成長につながる仕事」と回答した割合(折れ線グラフの青色)も7年連続、2位をキープしていましたが、2020年度の57.7%を境に徐々に減少。2025年度は41.4%と過去最低の割合を記録しました(図4)。



3. 「定時に帰りたい」新入社員44.6%が回答、11年前から17.2ポイント増加

ここからは、新入社員が考える働き方について質問しました。
今後3年間の会社での労働時間についての考えを質問したところ、「定時に帰りたい」と回答した割合が最も高く、44.6%の新入社員が回答しました。
次に、「週に2~3回の残業までなら構わない」が38.7%と続きました。
「仕事・成長のためにできるだけたくさん働きたい」と回答した割合は11.3%、「毎日残業でも構わない」と回答した割合は5.4%の結果になりました(図5)。



新入社員が考える、入社後3年間の会社での労働時間について、2014年度から12年間、各年度の新入社員に質問をした結果を比較しました。
結果、2025年度に「定時に帰りたい」と回答した割合は、11年前の2014年度の新入社員と比較すると、17.2ポイント高くなりました。また、「仕事・成長のためにできるだけたくさん働きたい」と回答した割合は、昨年より3.1ポイント増加したものの、2025年度では11.3%と、2014年度の21.2%から半数近く減少しました(図6)。



4. 20代の時間の使い方「仕事とプライベート優先」がトップ。「プライベート優先」は2014年から4倍に増加し、過去最高

次に、新入社員が考える20代の時間の使い方について、「仕事」「プライベート」「自己投資」の優先順位を質問しました。結果、約4人に1人が「仕事とプライベート優先」(26.6%)と回答する結果になりました。次に、「仕事とプライベートと自己投資をバランス良く」が19.1%、「プライベート優先」が18.5%と続きました(図7)。



新入社員が考える20代の時間の使い方について、2014年度から12年間、各年度の新入社員が回答した結果を比較しました。特徴的な点を挙げると、「プライベート優先」と回答した新入社員の割合が、2014年度の4.5%から徐々に増加し、2025年度は18.5%と4倍以上の回答割合となりました。特に、2022年度から2023年度にかけて5ポイント増加しています。2022年度から2023年度に入社した新人は、2020年以降の新型コロナウイルス感染拡大後に高校や大学に入学した世代です。様々な制限の中で学生生活を送った経験が、こうした結果につながっていることも考えられます。

また、「仕事とプライベートと自己投資をバランスよく」「仕事と自己投資優先」と回答した人の割合は、2014年度から2025年度にかけて半数近く減少する結果となりました。仕事・プライベート・自己投資のバランスよりもプライベートを重視する割合が増えていることが見て取れました(図8)。




5. 7割超の新入社員が頼まれたら「断れない」「しばしば断れない」、12年間で最高の割合に

ここからは、新入社員の対人関係における性格について見ていきます。
人に頼まれたら断れない性格かどうかを質問したところ、「断ろうと思っても断れない事がしばしばある」と回答した割合が49.2%と約半数でした。次に、「人に頼まれると断ることができない」が25.9%と続きました。2025年度の新入社員は、7割以上の新入社員が何か頼まれた際に断ることを躊躇(ちゅうちょ)する傾向にある性格であることがわかりました(図9)。



新入社員の対人関係にも、時代の変化があるのでしょうか。人に頼まれたら断れない性格かどうか、2014年度から12年間、各年度の新入社員が回答した結果を比較しました。結果、「人に頼まれると断ることができない」「断ろうと思っても断れない事がしばしばある」と回答した割合は徐々に増加し、「人に頼まれると断れない」割合は2025年度に過去最高の割合となりました。これにより、断れない新入社員の割合が増えていることがわかります(図10)。



6. 悩んだ時の行動「解決できないままため込む」、11年前より約4ポイント増

最後に、新入社員が悩んだ時の行動について質問しました。
何かに悩んだときに、あなたが取る行動に最も近いものを選んでくださいと質問したところ、「自分でじっくり解決策を考え、実行する」と回答した割合が46.2%となりました。
次に、「すぐに人に相談する」が32.7%、「解決できないまま自分の中にため込んでしまう」が14.4%、「好きなことをして忘れる」が6.7%と続きました(図11)。



悩んだときの行動について、2014年度から12年間、各年度の新入社員が回答した結果を比較しました。結果、「解決できないまま自分の中にため込んでしまう」と回答した割合は低いものの徐々に増加している結果となりました(図12)。



まとめ
本調査では、過去の新入社員意識調査の結果と比較し、2025年度の新入社員の仕事の価値観や性格を調査・分析しました。

2025年度の新入社員は、仕事を通して成し遂げたいこととして、6割以上が「安定した生活を送りたい」と回答しました。その回答割合は2019年度から徐々に増加し、過去最高の割合に。また、今後取り組みたい仕事では「楽しくてやりがいのある仕事」と約7割が回答しました。外部環境の変化に影響を大きく受け、様々なデジタル情報と接しながら育ってきた今年の新入社員は、安定した生活を送るために、楽しくやりがいを感じながら働いていきたいという価値観を持っていることが分かりました。

一方、仕事を「自身の成長の場」と捉える新入社員が減ってきていることも明らかとなりました。仕事を通じて成し遂げたいことに、「自分を成長させたい」と回答する割合は2020年から減少し、今年度は過去最低の割合に。また、今後取り組みたい仕事でも「自身の成長につながる仕事」と回答した割合は2020年から減少し、こちらも過去最低の割合になりました。

12年間で、仕事への価値観が徐々に変化をしている新入社員ですが、働き方への考えも変化がありました。今後3年間の会社での労働時間について考えを質問したところ、約半数が「定時に帰りたい」と回答。その割合は11年前と比較すると15ポイント以上高く、増加傾向にありました。20代の時間の使い方では、「仕事とプライベート優先」と回答した割合が最大となりました。また、「プライベート優先」と回答する割合が11年前と比較し4倍以上に増加していることも特徴的でした。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う様々な制限で組織や社会とのつながりが希薄になった一方で、動画サイトやSNSを活用した個人発信の場がより身近に感じられるようになったことで、自然と「会社」や「組織」より「プライベート」を重視する新人が増えていることが推察できるでしょう。

最後に、新入社員の性格や悩んだ時の行動を調査したところ、人に何かを頼まれたときに「断ろうと思っても断れない事がしばしばある」と回答した割合は、11年前と比較すると増加傾向にあり、2025年度は約半数が回答しました。また、悩んだ時「解決できないまま自分の中にため込んでしまう」と回答した割合も11年前と比較すると増加傾向にありました。コロナ禍でコミュニケーションが希薄な環境を経験してきたことが、「断りにくい」「ため込んでしまう」という人の増加に影響しているかもしれません。
専門家による考察「成長意欲の喚起のために工夫すべきこと」
新入社員が仕事を通して成し遂げたいことについて、「安定した生活を送りたい」と考えている割合が過去最高である一方、「自分を成長させたい」と考えている割合は過去最低となりました。

昨今の新入社員は、学生時代の間に新型コロナウイルス感染症の流行や、ロシア・ウクライナ紛争、生成AIの進化と普及、物価の上昇など、世の中の大きな変化を目の当たりにしています。先々の状況が見通せないことが、安定を求める価値観へとつながっているのかもしれません。ただその一方で、仕事での自身の成長が安定した生活に寄与するという認識になっていない可能性があります。

また、割合としては低いものの、過去11年間と比較して、頼まれたことを断れなかったり、解決できないことを自分の中にため込んでしまったりする傾向が高まっていることがわかりました。これらの傾向は、本人にとってストレッチな状況(成長にはつながるもののストレスがかかる状況)に置かれた際に注意が必要といえます。新入社員が「これは成長につながる機会だ」と捉えられず、上司や先輩に相談もできず、最終的には離職してしまうこともあり得ます。

そこで、新入社員を育成するにあたっては、以下の取り組みをするとよいでしょう。

1. 思ったことをため込まないように、コミュニケーションに工夫をする

業務で感じたストレスや不安を自分の中にため込んでしまうことを防ぐために、上司やOJTトレーナーは声掛けや傾聴、質問を通じて新入社員に本音を話してもらいやすくしましょう。「元気?」「大丈夫?」といった声掛けが日常的にあるだけでも、新入社員が本音を話すきっかけになります。また、新入社員が自身の状況について話している間は傾聴しながら話の内容や表情などに集中し、そのうえで「〇〇については、どう感じている?」などオープンクエスチョンで質問することで、本音を引き出しやすくなるでしょう。

2. 自分なりに解決策を考える力を養える支援をする

新入社員に「自分で考える力」を身につけてもらうことができれば、業務で思うようにいかない状況になったときでも自分なりに解決策を見出しやすくなります。

考える力を高めるには、業務を頼む際に「何のために行う業務なのか」や「その業務が適切に行われることで、誰に・どのように良い影響が及ぶのか」といった目的や意義を伝えたり、業務の進め方について相談を受けた際に「どうするのがよいと思う?」などの質問によって考える機会を設けたりすると効果的です。なお、「間違ったことを言って怒られたくない」と考える新入社員もいるため、「間違っていてもいいから、自分なりに考えてみてほしい」と伝えるとよいでしょう。

新入社員がある程度業務を覚え、考える力が身についてきたようであれば、フェイディング(補助輪を外していく行為。支援の質と量を徐々に外していくこと)を行うことにより、新入社員は自信をもって問題解決をすることができるようになります。



ALL DIFFERENT株式会社
事業開発推進本部 コンテンツマネジメント部 ユニットリーダー
宮澤 光輝(みやざわ・こうき)

東京大学卒業後、ALL DIFFERENT (旧トーマツ イノベーション/ラーニングエージェンシー)に入社。コンサルタントと研修講師を兼務し、サービスの企画・開発、研修講師育成、中堅~大企業に対して研修の企画・提案および実施などをはじめとした人材育成支援に従事。複数の全社プロジェクトでプロジェクトリーダーを担当。現在はサービスの企画・開発チームのリーダーとして、対面研修、オンライン研修などの新サービスの企画・開発、研修講師育成を担う。研修講師としては公開講座や企業内研修等で、OJT指導者向け、管理職向けの研修を中心に年間100回以上実施。



調査概要

*本調査を引用される際は【ラーニングイノベーション総合研究所「新入社員意識調査2025(3933人の仕事の価値観編)」】と明記ください
*各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは、欠損データとして分析の対象外としています
*構成比などの数値は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がございます
ラーニングイノベーション総合研究所
「人と組織の未来創り(R)」に関する様々な調査・研究活動を行っている当社研究機関。データに基づいた組織開発に関する解決策を提供。

ALL DIFFERENT株式会社
組織開発・人材育成支援を手掛けるコンサルティング企業。
人材育成から、人事制度の構築、経営計画の策定、人材採用までの組織開発・人材育成の全領域を一貫して支援。

《沿革》
2006年 トーマツイノベーション株式会社として人材育成事業を開始し、業界初や特許取得のサービスを多数開発・提供
2019年 株式会社ラーニングエージェンシーとして、デロイトトーマツグループから独立
2024年 ALL DIFFERENT株式会社へ社名変更

代表取締役社長 眞崎 大輔
本社所在地   〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-7-1 有楽町 ITOCiA(イトシア)オフィスタワー 15F(受付)・17F・18F
支社      中部支社、関西支社
人員数     328人(2025年4月1日時点)
事業      組織開発支援・人材育成支援、各種コンテンツ開発・提供、ラーニングイノベーション総合研究所による各種調査研究の実施
サービス    定額制集合研修「Biz CAMPUS Basic」/ライブオンライン研修「Biz CAMPUS Live」/ビジネススキル学習アプリ「Mobile Knowledge」/ビジネススキル診断テスト「Biz SCORE Basic」/IT技術習得支援サービス「IT CAMPUS」/デジタルスキル習得支援サービス「DX CAMPUS」/管理職アセスメント「Discover HR」「Competency Survey for Managers」/人事制度構築支援サービス「Empower HR」
経営計画策定支援サービス「Empower COMPASS」/転職支援サービス「Biz JOURNEY」ほか
URL       https://www.all-different.co.jp/corporate

▼ALL DIFFERENT株式会社では事業拡大に伴い、採用活動にも力を入れています。
新卒採用 https://newgraduates.all-different.co.jp/
中途採用 https://career.all-different.co.jp/

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