戦後80年の節目を迎えるにあたり、4日から2日間の日程で沖縄を訪問されている、天皇皇后両陛下と愛子さま。

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両陛下が沖縄を訪れるのは3年ぶり、愛子さまは初めてのご訪問となります。

天皇ご一家が最初に向かわれたのは、糸満市内にある「平和祈念公園」。
遺骨が納められた「沖縄戦没者墓苑」で花を手向け、深く拝礼されました。

沖縄戦などで亡くなった、約24万人の名前が刻まれた「平和の礎」では、真剣な表情で説明に耳を傾けられる愛子さまの姿が。

その後、向かった、平和祈念資料館では、展示された生存者の証言などをご見学。

愛子さまは、防空壕の中で大きな声をあげてしまう人を大人が相談して窒息死させたという14歳の証言に目を落とされ、「すごく壮絶な。生きていくために、こういう選択をしなければならないという、心が痛みます」と話されました。

受け継がれる“平和への思い”

愛子さまが触れられた沖縄の歴史。そこには、皇室との深い関係がありました。

戦後、皇室として初めて沖縄を訪問された、皇太子時代の上皇ご夫妻。
沖縄返還から3年後の1975年、皇室に複雑な感情を抱く住民も多かった時代、「ひめゆりの塔」を訪問し、拝礼された直後、過激派が火炎瓶を投げつけるという事件が発生しました。

さらに、1987年、沖縄で国体が開かれた際には、日の丸が引き下ろされるという事件も。
そうした状況にあっても、長きに渡り、沖縄の人々に心を寄せ続けられてきた上皇ご夫妻。その1つが、沖縄の小・中学生が夏休みに東京で記者の仕事を体験する、「豆記者」との交流です。

この交流は皇太子時代のご一家に受け継がれ、2016年当時、中学生だった愛子さまも、同年代の豆記者と笑顔で懇談されました。

天皇陛下は皇太子時代に、戦争の歴史と愛子さまへの思いをこのように語られていました。

「両陛下からは、愛子も先の大戦について直接お話を聞かせていただいておりますし、私も両陛下から伺ったことや自分自身が知っていることについて愛子に話をしております」

そんな思いを受け止めるかのように、愛子さまも成年を迎えられた会見では…。

「皇室は国民の幸福を常に願い、国民と苦楽を共にしながら務めを果たすということが基本であり、最も大切にすべき精神であると私は認識しております」

戦争体験者「これからの世代を担っていく皇族」

4日の午後には、戦争体験者と面会された両陛下と愛子さま。
面会した戦争体験者は、ご一家の様子をこう話します。

面会した戦争体験者:
天皇家に対して複雑な思いが、体験者としてはあるにはあるんですけども。
非常に柔和で、今の上皇さまからずっと続いて、これからの世代を担っていく皇族であるということを感じました。

フジテレビ皇室担当の橋本解説委員は…。

フジテレビ皇室担当 橋本寿史解説委員:
皇室にとって戦争というのは必ず向き合わなければいけない課題なわけです。中でも沖縄というのは、激烈な地上戦が行われた場所であり、慰霊とそして平和を祈るという気持ちを持って訪問されている場所だと思います。

愛子さまも実際、肌で感じられていった時に、平和への大切さというものを、新たにされていくんだろうと思います。
(「サン!シャイン」 6月5日放送)