乳児が感染すると重症化し死亡する恐れもある「百日ぜき」の感染が拡大しています。激しいせきが長引くのが特徴です。

■百日ぜきの感染者数が過去最多に

名古屋市西区の「みわた小児科」には2025年6月4日、せきの症状を訴える子供たちが診療に訪れていました。発熱や咳症状がある2歳の女の子と10カ月の男の子の母親は…。

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母親:
昨日、鼻とせきがひどいと保育園から言われて。

みわた小児科の三輪田俊介院長:
寒暖差が土日寒かったので、雨の日も多くて、そういう時はせきが普段だったらそんなに悪くならないんだけど、すごく悪くなって夜寝られなくなることがあるので。

診察の結果、2人とも気管支炎で「百日ぜき」ではありませんでしたが、例年と比べ全国的に感染が広がっています。

みわた小児科の三輪田俊介院長:
当院だと1週間に1人か2人を新しく診断しているようなかたちになりますので、ここ数年にはなかったようなことが今起きていると思っていただいていいと思います。

国立健康危機管理研究機構によりますと、5月25日までの1週間で報告された全国の「百日ぜき」の感染者数は、前の週から350人以上増え2660人に上り過去最多になりました。

愛知県でも4月頃から感染者が急激に増えています。

■自覚しにくい百日ぜきの症状

百日ぜきは激しいせきが長引くのが特徴で、ワクチンの効果が弱まり始める10歳前後の子供たちに見られることが多く、乳児がかかると重症化して死亡する恐れもあるといいます。しかし…。

みわた小児科の三輪田俊介院長:
症状から百日ぜきを疑うことは、せきが長く続くこと以外は難しいんじゃないかと思いますね。

大人は症状が軽く受診しないケースも多くありますが、風邪だと思い放っておくと、落とし穴があるといいます。

Q.子供たちに知らない間に広げてしまう可能性も?
みわた小児科の三輪田俊介院長:
もちろんあると思います。何となくせきで大丈夫かなという場合でも、知らず知らずのうちにまき散らしてしまうことを防ぐためにも、早めに病院を受診して必要な治療を。

■これからの季節はマイコプラズマ肺炎にRSウイルスにも注意を

また、これからの季節、他の感染症にも注意が必要です。

みわた小児科の三輪田俊介院長:
今年でいうとかなり減ってはきているんですけど、マイコプラズマが昨年から8年ぶりに大流行していて、まだ患者さんがいる印象を受けます。もう1点はRSウイルス。夏にRSウイルスが流行することがここ数年ありますので、今後そういった気管支炎や喘息のようなせきを起こすような感染症たちが増えてこないかが懸念点かなと考えています。

マイコプラズマ肺炎にRSウイルス、大人が知らぬうちに感染を拡大させないよう、百日ぜきと同様、いずれも早めの受診が大切です。

(東海テレビ)

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