熊本市北区でネコの保護活動を行っている女性の自宅などで、100匹以上のネコが死んでいた問題について、熊本市は動物虐待の疑いも視野に調べを進めている。また、女性が所属している団体の代表は「被害者やネコにどうおわびしていいか分からない」と話している。
保護活動家の自宅から100以上のネコの死骸
この問題は、動物保護団体に所属し、熊本市北区でネコの保護活動を行っている女性の自宅で、100匹以上のネコが死んでいたもの。
5月2日、女性が所属する団体や別の保護団体のメンバーらが警察立ち会いの下、現場から13匹を救助した。
この問題をめぐっては、熊本市の動物愛護センターが動物愛護法における虐待の疑いも視野に調査している。
里親を探してもらおうと預けた2匹のネコ
今回の問題が明らかになったのは、嘉島町に住む夫婦が、亡くなった母親が飼っていたネコ2匹の里親を探してもらおうと、5月16日に4万円を支払って女性に預かってもらったことがきっかけだった。
預けた後、ネコの様子などについての女性とのやりとりに不審な点が多かったため、「返してほしい」と伝えたところ、5月27日、女性から「1匹は死んだ」と知らされたという。
夫婦はすぐに、生きているもう1匹と一緒に、女性から死んだネコも返してもらうと、死んだネコは皮膚がはがれ、小さくなっていたという。
預けて約10日で死んだネコ「胃袋は空っぽ」
6月2日夜、この夫婦が取材に応じ、夫は「胃袋は空っぽで、死ぬ直前は何も食べていなかった」と話し、妻も「（死んだネコは）グチャグチャで、〈そんな所にいたのかな〉と思うと、衝撃、かわいそうすぎて。約10日間、こんな所にいたのかなと思って」と話す。
夫は「幸せに育てられてきたから、約10日間は地獄のようだったと思う。間違った選択をしたのは自分たちなので、申し訳ないなと。亡くなった母親との約束も破ってしまい、どう説明していいのか」と、亡くなった母親の大切なネコを、今回の女性に預けたことを後悔した。
夫婦は現在、ネコの死因を調べてもらっているという。
「何でこんなことした？」「私が聞きたい」
一方、現場から救助されたネコは、6月3日に女性が所属する団体の代表らが世話をしていた。
団体の代表は「1カ月くらい前から私を避けるようになって、そのあたりからおかしいと思っていた。おかしいと思ったときにすぐに行かなかった自分が悪いし、それに気づいてやれなかった自分が情けなくて、被害者や猫にどうおわびしていいか分からない。『なんでこんなにした？』と（女性に）言ったら『わたしが聞きたいです。なんでだろう』と言っていた」と話した。
6月2日にネコを救助した別の団体・NPO法人 犬ねこみらいサポートの中野裕子代表は「彼女が預かってたネコの数と譲渡された数、いろいろ照らし合わせて全く数が合わない。現に昨日、100匹超えの死骸を（見つけた）彼女も私の印象はネコ（の世話）を一生懸命頑張っていた。いつからこうなっただろうと。自分たちと協力し合っていた団体同士の中で、こういったことが起きていると今でも信じられない」と述べた。
（テレビ熊本）
