北九州市の採石場で、上司を大型ダンプカーで“ひき殺した”などの罪に問われている男の初公判が開かれ、男は起訴内容を認めた。

人間が隠れるほど巨大なタイヤで…

6月2日、福岡地裁小倉支部。裁判員裁判の初公判に姿を見せたのは、殺人などの罪に問われている福岡・築上町の無職、高橋博行被告(62)だ。

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高橋被告は、裁判長からの「検察官の言っていることで間違いはありますか?」という問いかけに「ありません」と応えた。さらに「あなたがしたことで間違いないですか?」という問いかけにも「はい」と険しい顔つきで応え、起訴内容を認めた。

事件が起きたのは2024年10月。起訴状によると高橋被告は、北九州市小倉南区の採石場で、勤務中に上司の山崎雄二さん(当時51)を大型ダンプカーでひき殺したほか、同僚の男性作業員や現場責任者の男性もひき殺そうとしたとされている。

犯行の凶器になった大型ダンプカーは、重さ約72トンでタイヤの直径は2.7メートル。捜査関係者も「ここまで大きな車での犯行は、見聞きしたことがない」と語るほどだった。

高橋被告の知人は「1カ月ほど前、高橋被告が軽トラックで追い越して行ったんかな、そのときにものすごく思いつめた感じで、初めてやったんでね、そういう顔をしとるのを見たのが…。人が違うような、あれで」と見かけた高橋被告の異常な状況を話す。

職場でいったい何が起きていたのか―

高橋被告は逮捕後の警察の調べに対し「日頃から仕事でうっぷんがたまっていた」と話しているという。

初公判で起訴内容を認めた高橋被告。検察側は冒頭陳述で、事件前に高橋被告は上司からパワハラを受けていることなどを労働局に相談していたと説明。事件当日「上司にダンプトラックから降りるよう無線で促され、自分が怒られ、退職を迫られるなどと思い、激しい怒りを覚えて犯行に及んだ」と指摘した。

一方、弁護側は「上司の口調の激しさや無視をパワハラと悩んでいた。動機も突発的」などとして情状酌量を求めた。

判決は、6月12日に言い渡される予定だ。

(テレビ西日本)

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