着ぐるみを着て東京の街を走る“公道カート”。
外国人観光客に大人気となっているこのアクティビティーをめぐり、東京・渋谷区が全国で初めて事業者の届け出を義務化することになる。
カートレンタル店に外国人観光客が殺到
この週末、取材班が向かったのは、東京・港区にあるカートのレンタル店。
店内では多くの外国人観光客が、アニメのキャラクターなどの着ぐるみ選びに夢中になっていた。
この店には、多い月で900人ほどの外国人観光客が訪れるという。
公道カートを体験するイギリス人観光客：
私が選んだの！パパがミニオンに似てるから！
おじいちゃんはピカチュウか？
東京タワーや渋谷のスクランブル交差点など、東京の観光地を公道カートで巡るツアー。
この店の料金は、1万5000円ほど。
実際にハンドルを握った外国人観光客は、興奮を隠せない。
公道カートを体験したオーストラリア人観光客：
渋谷を走るのは面白かった！すごく安全だったからね。
一方で、公道カートがあふれる渋谷の街からは、不安の声が上がっている。
30代：
騒音になっちゃうのかな、エンジン音とかが…。
20代：
やっぱり距離は取りたいですよね。日本の公道のルールをどれだけご存じなのか？
都内では公道カートめぐる苦情は245件、事故は42件発生
警視庁によると、都内では騒音など公道カートをめぐる苦情は2024年は245件にのぼり、外国人の悪質運転などによる事故は42件発生している。
こうした中で渋谷区は、カートを貸し出す新規事業者に対し、区への届け出や近隣住民への説明を行うことを条例で義務づける方針を固めた。
今回番組が取材したレンタル業者は、条例に賛成としたうえで、事故が多いのは安全意識の低い“新規参入者”が多いからだと指摘する。
ALOHA GO-KARI・宮垣良太さん：
新規参入者がですね、法律ですとか安全なルールというものを分からずやっていることが多いです。われわれ古い業者ですと、通ってはいけない場所であったりとか、通らない方がいい時間帯っていうのを把握している。
この店では、利用客に交通ルールを守ることなどを定めた同意書の提出を求めている。
加えて、事前に注意事項を案内する映像を見るだけでなく、実際に外国人観光客をカートに乗せてスタッフが英語で運転操作を教えるなど、安全対策を徹底しているという。
外国人観光客にとって、安心・安全運転な公道カード体験は、日本での特別な思い出となっている。
公道カートを体験したイギリス人観光客：
めちゃくちゃよかった。完璧でした。東京の街を見るのはいい体験だったよ。
公道カートを体験したアメリカ人観光客：
渋谷を通過するのはすごくアメージングだね。みんな安全運転で、危険な感じはなかったよ。
ALOHA GO-KARI・宮垣良太さん：
（公道カートは）事故だったりとか、違反が全体のイメージになってしまうので、ちょっとイメージを改善したいというアピールをしているところなので、そういったところは減らしていってほしいなと思っています。
渋谷区は、条例の改正案を6月の区議会に提出し、7月からの施行を目指している。
（「イット!」6月2日放送より）
