戦前、今帰仁村の百按司墓から研究目的で持ち出され、100年近く京都大学に保管されていた遺骨が29日今帰仁村へ返還されました。
京都大学が今帰仁村教育委員会に返還したのは、百按司墓に安置されていた琉球王族のものとされる遺骨26体です。
戦前の1929年、京都大学の前身にあたる京都帝国大学の研究者が、人類学の研究のために百按司墓から遺骨を持ち出しました。
子孫や有識者らはこれまでに大学を提訴するなどして返還を求めていて、2024年12月、大学側は元の墓に埋葬せず学術資料として保存することを条件に、遺骨の管理を今帰仁村に移すことで村と合意しました。
一方で、無断で遺骨を持ち出したことについて京都大学は謝罪していません。
裁判で原告団長を務めた龍谷大学の松島泰勝教授は「遺骨が古里に戻ったことは嬉しく思うが、本来の墓に戻らなかったことや大学側から謝罪・説明がないことに憤りを感じる」とコメントしています。
今帰仁村歴史文化センターは「京都大学との協議に則り適切に保全していきたい」としています。