球磨郡あさぎり町須恵地区で、子どもからお年寄りまでが一堂に集まり、和綿の種まきに取り組みました。
これは、あさぎり町須恵地区の住民などでつくる『和綿の里づくり会』が毎年行っているもので、今年で13回目です。
26日は、町内の約18アールの畑に和綿の種をまきました。
【参加者】
「たのしかった」
「楽しかった」
「世代を超えて触れ合えるのはうれしい」
会には、大事にしている2つの言葉があります。
それが須恵地区に昔から伝わる、支え合うことを意味する<ハジアイ>と共同労働を意味する<かちゃあ>です。
この日もその思い受け継ぎ、ともに和綿を育てようと、子供から大人まで約170人が参加しました。
この<かちゃあ>という言葉については戦前、須恵村に滞在し調査したアメリカの人類学者ジョン・F・エンブリー博士も著書で紹介しています。
エンブリー博士を研究する福岡市のジャーナリスト 田中 一彦さんは「農作業や日々の生活を支えてきたのが<ハジアイ>と<かちゃあ>で、住民が自発的に協力し合う心遣いは今も須恵地区で強く残っている」と話します。
【ジャーナリスト 田中 一彦さん】
「『ハジアイはもうない』と言うお年寄りもいるが、例えば、おすそわけで、いろんな物を頂いたり、日常的に続いている。まだ、須恵には(ハジアイが)生きているということがとても大事なこと」
【和綿の里づくり会 恒松 祐輔 会長】
「エンブリーさんが当時、研究されたことと私たちが和綿の里づくり会で共同労働していることがリンクした形で、今につないでいる気持ち。これを続けていくことが使命ですし、地域を元気にする方法だと思っている」
この日、種まきした和綿は9月下旬から収穫される予定で、ハンカチなどの材料として活用されます。