「食器、弁当箱、調理器具を洗ったあとは、自然乾燥させる場合には水が切れやすいよう置き方に注意し、拭き取る場合には必ずペーパータオルか清潔なタオルを使用し乾燥させましょう。濡れたまま放置した場合、細菌は多湿な環境を好むので、濡れた箇所から食中毒の原因菌が増殖する可能性は十分にあるでしょう。
手洗いの後もすぐにペーパータオルか清潔なタオルで拭き取る事により空気中の細菌やウイルスが手に付着することを防ぐことができます」

アルコール消毒をした場合も、必ず水分が残らないように注意してほしい。時間がたつと有効成分は消え、水分が手や器材に残り、絶好な菌増殖の場となってしまうためだ
「そして、調理後すぐに食べないものは、なるべく早く小分けにして冷蔵庫か冷凍庫で保存してください。放置している間に菌が増えてしまうと、加熱しても必ずしも安全とは限りません」
お弁当づくりのポイント
お弁当を作る場合は、乾いた容器を使用する以外に、具や入れ方にも気を配る必要があるという。
「暑い時期に汁気の多い煮物などは、細菌が好む水分を多く含んでいるため、避けた方がいいでしょう。また食品をお弁当に詰める際、熱を持ったまま入れてしまうと、容器の中で水蒸気が発生し、腐敗の原因になります。お弁当を用意する際は、焼き物や揚げ物など水分をあまり含まないものを選び、涼しいところや保冷材とともに保存しておくようにしましょう」

また、お弁当の具材が揺れや衝撃で混ざらないように、生野菜で仕切りを作る人も少なくない。しかしこれも食中毒の観点からは、あまりおすすめできない。
「レタスなど水分が多い野菜の場合、塩分が多い食材と隣り合わせになることで水が余計に発生する可能性があります。もし仕切りを作るのであれば、大葉など水分の少ないものや、バランを活用しましょう」
自己判断で下痢止めはNG
いくら細心の注意を払っていても、食中毒のリスクをゼロにすることは難しい。万が一に備えて、食中毒かもしれないと感じたときの対応も知っておこう。