2024年に全国的に大量発生した害虫「カメムシ」。広島県でも初の「警報」が出され、果樹農園などに被害が出た。2025年はどうなのか、農家にとっては気になるところだが、広島県によると、6月上旬までは平年よりやや少ない予測だという。
ナシの実は順調に成長
2024年深刻な「カメムシ」被害に悩まされた広島県安芸高田市のナシ農園では、カメムシそのものの姿を目にすることが減ったという。また、ナシの実は例年になくよく育っているという。

かしもと農園・樫本雄三 園主:
「久しぶりですね。こんな大きな実になって、凄く成長しているのは。いやあ嬉しいですね」

カメムシがどのような被害をもたらすかといと、ストロー状の口を突き刺し果実の汁を吸い、実が「ボコボコ」になって売り物にならなくなる。

その被害はナシ以外にモモ、サクランボなど果物全般に及ぶ。

2024年は5月に広島県は最初の注意報を発表。その後、最も多い地点で平年の29倍のチャバネアオカメムシが確認され、7月には初の「警報」を出した。
冬の寒さで越冬数が減る
広島県によると、6月上旬までは果物に被害を与えるカメムシは平年より「やや少ない」との見通しだ。

広島県西部農業技術指導所植物防疫チームの川辺翔瑚 技師によると「越冬量が少なかったので今後1カ月はやや少ないのではないか」という。

越冬したカメムシは春に活動し始めるが、県が冬場に行った調査では、冬を越したチャバネアオカメムシの数は前年に比べ「4分の1以下」に減少し、平年と比べても少ないといいう。その要因としては、冬場の冷え込みが厳しかったことがあるという。
ナシ袋をあけてみないと被害がわからない
安芸高田市のナシ農家はカメムシ対策の難しさをこう語る。

かしもと農園・樫本雄三 園主:
「カメムシは袋の外から狙ってくるので、収穫をして果実袋を開けてみないと被害がわからない。被害があると『まさかカメムシが』と心が折れそうになる。今年は例年通りの個数が出来上がってきて、ちょっといまホッとしている」
カメムシの越冬数は地域差があり、例年より多い県もある。今後は、夏場にかけて、新たに発生するカメムシもいることから、最新の情報に注意が必要になる。
(テレビ新広島)