岩手県内ではサバの不漁が深刻化しています。
2024年の水揚げ量は前の年の8割に落ち込んでいて、漁業者だけでなくサバを原料としたヒット商品の製造にも影響が出ています。

5月21日朝の大船渡市の魚市場では、漁師たちが定置網で獲れたサバを次々と水揚げしています。
魚市場によりますと、21日は約4トンが水揚げされました。

これまで多い時には1回に100トン以上が水揚げされることもありましたが、ここ数年は大幅に漁獲量が減っているといいます。

大船渡魚市場 佐藤光男専務取締役
「去年おととしからそういう傾向にある。魚も小さくなっている。(獲れる魚の種類は)何年サイクルとか波がある」

この状況は岩手県のヒット商品にも影響を及ぼしています。
釜石市の食品製造・販売会社「岩手缶詰」では、サバの洋風缶詰「サヴァ缶」を製造していましたが、原料が不足したため県内5カ所の工場のうち釜石工場の操業を5月末から一時休業することを決めました。

岩手缶詰で製造している「サヴァ缶」は、サバの身がたっぷり入ってギフトとしても人気のある商品です。

2013年に発売された「サヴァ缶」は「オリーブオイル漬け」「レモンバジル味」などこれまで5種類が商品化されていて、累計販売数が1200万個を超える大ヒット商品です。

しかし、高品質なサバの確保ができず今は生産をストップしています。

県内ではサバ類の水揚げ量が年々減少していて、県水産技術センターの「いわて大漁ナビ」によりますと、2024年は1万2254トンと前の年の約8割にとどまりました。

岩手缶詰の山下純明社長は「創業の地の釜石で何とか生産を続けたかったが申し訳ない」とコメントし、釜石工場での缶詰製品の生産を岩手町の工場に順次移管し、生産体制の最適化を図る方針だということです。

岩手めんこいテレビ
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