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<新デザインを担当した中学生>


桜舞う新年度4月から、緑豊かな玉川学園・玉川大学キャンパス内に登場した23個の新しいデザインのゴミ箱。鮮やかな赤、黄、緑色でゴミの分別種類がわかりやすく描かれたシールが天板に貼られており、広大なキャンパス内でも目を引く存在に。この3連分別ゴミ箱のシールは玉川学園中学部の環境委員会の生徒によってデザインされました。幼稚園から小・中・高等部、そして大学・大学院まで幅広い年齢層の園児・児童・生徒・学生が一つのキャンパスで学ぶ環境において、学内全体のゴミ分別意識の向上に一役買っています。


<設置されたゴミ箱の様子>                

            

<新デザイン案>


今回のゴミ分別シールデザインプロジェクトは、ゴミ箱の分別表記をよりわかりやすく一新する事で、生徒や学生など利用者一人ひとりの学内の分別意識を高めようと企画され、中学部の環境委員会に白羽の矢が立ちました。委員会メンバー達は、制作過程でプロのデザイナーからのアドバイスを受けて、デザインをブラッシュアップするという専門的な作業も体験。納得いくまで修正作業を繰り返し、誰にでもわかるベストなデザインを模索しました。

同委員会は日々の学園内の資源ゴミ回収や整備を担当する中、町田市と連携したリチウムイオン電池の混入防止啓発活動など、これまで学内外で意欲的に環境問題を改善する活動を行っています。今回のシール制作を担当した玉川学園の環境委員会で、委員長を務める馬場結菜さん、副委員長の樋口菜宥子さんを始め、デザインを担当した平本愛実さん、飯田莉央さん、中西美空さん、原由希子さんら6人(当時K-12、8年生:中学部2年生)のメンバーに委員会を代表して話を聞きました。


<新デザイン作成の紹介に参加した環境委員会のメンバー>


今回のデザインの原案は2年前に起源ありました。緑色を基調とした『ペットボトル・あき缶・あき瓶』ゴミのデザインを担当した平本愛実さんは、「7年(中学部1年生)の時に技術の授業で出された課題が『少し先のあたり』でした。未来にはどんな『あたりまえ』が広がっているか考える中で、プラスチック問題に対しこんなロゴマークが存在していればと思い作成したデザインでした。その時のデザインを山田先生が覚えてくれていて、今回の企画に声を掛けてくれました」。


<緑のデザイン案の説明>


当時作成したデザインでは、メインとなるペットボトルの背景に、プラスチック問題で犠牲となる珊瑚が描かれていましたが、今回はよりゴミの種類をわかりやすく伝えるために、空き缶やプルタブに変更。「最近はあまり瓶の飲み物を飲む人がいないのであえて描かず、プルタブはどんな飲み物の缶にも共通していて、多くの人にとってイメージがしやすいと採用しました」と説明。また、ロゴの周りには英文で『プラスチック問題はみんなの課題。未来のために減らそう』メッセージが書き込まれています。「この文章は、見た人に自分自身のこととして考えてほしいと思って入れました。デザイナーさんから、もっとしっかりこのメッセージを伝えた方がいいとのアドバイスを頂き、当初よりはっきりと見やすい字体になっています」。


日頃からデザインに親しんでいた平本さん。「デザイナーさんとのディスカッションは本当に良い経験になりました。プロの方とディスカッションする機会なんて普通は無いので、学べる事は何でも学ぼうと思いました。プロの方が本当に細かい要望にも応えてくれるので、『こうしたい』という想いが膨らみました。この時学んだデザインのノウハウは、今も色んな場面で活かされています。」と、生き生きと当日の様子を語ってくれました。


 他の生徒からも、「自分達がベストと思っていても、さらにその上を提示してくれる。自分達の理想を本当に形にしてくれるので、要望もどんどん増えていった」との声も。その時のディスカッションの白熱ぶりから、生徒達がとても貴重な機会に刺激を受けたことが伝わりました。

<学内に設置された3連ゴミ箱>


「新しいゴミ箱になってから、分別がわかりやすくなったと友人にも言ってもらえました。デザイナーさんの提案で、小さく作者の名前も入れてくれることに。こだわって作ったものが形になり、人の目に触れて活用してもらえ、これからも残っていくことが嬉しい」と笑顔で話してくれました。


平本さんのデザインをベースに、赤色を基調に炎で「燃えるゴミ」を表現したのは馬場結菜さんと原由希子さん。「紙くずは絵としてわかりにくい。炎をメインにして燃えるゴミのイメージを持たせ、周りには魚の骨と、よく使われる割り箸を。魚の骨は、生ゴミの表現として絵にする際に見苦しくないよう気をつけました。心がけたのは、どの年齢の人が見てもわかりやすいことです。周りには環境問題について問いかけるメッセージを英文で入れました」と説明してくれました。


<赤のデザイン案の説明>

 黄色を基調とした「プラスチック・ビニールゴミ」は樋口菜宥子さんが担当。「海洋問題の代表的な原因であるビニール袋をメインに配置しました。他のゴミシールのデザインと統一感が出るよう配色やバランスを考え、コンビニ利用頻度が高い学生にとって身近なプラゴミであるストローやスプーン、フォークを描きました」。


<黄色のデザイン案の説明>

 今回のプロジェクトの目的の一つは、多くの人に環境問題に関心を持ってもらうこと。環境委員会メンバーは、日頃からペットボトルや古紙回収などの活動を行い、SDGsへの理解も深めています。どんな想いで環境委員会に参加し、日々活動に取り組んでいるのか、その参加のきっかけを聞かせてもらいました。


中西さんは「小学5年生の時の授業で環境問題について取り組んだ時、SDGsの掲げる目標の一つ『質の高い教育をみんなに』が心に残りました。自分も学生で今勉強をしている、でも世界にはそうではない状況の人がいる。授業をきっかけに、本やインターネットを使い自分で色々調べ考えるきっかけになりました。その後も、人の役に立つことが出来ればと管財委員や奉仕委員にも入り、8年生(中2)になったら環境委員に入ろうと考えていました」と現在に至る経緯を話してくれました。

委員長の馬場さんは、「幼少期から家族と募金活動などに取り組んできました。環境委員会は町田市と連携した活動など、学校の内だけではなく外でも活動が出来ると思い参加しました」と回答。


<まちだECOフェスタへの出席した環境委員会>

 メンバーの中には、「最初は他に入りたいところが思いつかず消去法で入ったけれど、ゴミの詳しい分別の仕方や環境問題への具体的な取り組み方など、より専門的な知識が身につき体験できたので入ってよかった」と話す生徒も。きっかけはさまざまですが、どの生徒からも自分の出来る事から始めていこうという意志が伝わってきます。


また、生徒によってはその行動力やエネルギーの高さを買われて先生に推薦されて、思いがけず参加を決めた生徒もいるといいます。副委員長の樋口さんは、「私は別のイベントの実行委員をしていた時、自分で納得いくものが出来ずに悔しくて隠れて泣いていた姿を先生が見ていたそうで、当時は何の接点も無かった環境委員会に声をかけてくれました」と意外なエピソードを話してくれました。


<デザイン作成の経験を語る環境委員会のメンバー>

 環境委員会の顧問である玉川学園中学部の技術を担当する山田真也先生は、泣いてまで悔しがる姿に 樋口さんのエネルギーの高さを感じたといい、「人をまとめる立場になった時にあなたならどうする?と考えてほしかった」と副委員長の立場を薦めたと話します。


山田先生は、「ここにいる全員、そしてここに来られなかった生徒も、みんなそれぞれのエピソードと熱い想いを持っています。想いがあり、芽が出始めたら伸ばしたい。今回の生徒たちの話を聞いても、例えば中西さんは『自分の人生をちゃんと自分でつくってきたんだな』と感じる背景を話してくれ、想いを感じました。私は、「教育は無限の可能性の樹形図をつくることだ」と思っています。経験を次の一歩につなげてほしい。想いを持ち、その想いを家族でも後輩でも、他の誰かに伝えていってほしい」と語り、「今回のプロジェクトも、私は機会を与えただけで、何もしていません。

 生徒たちが自分たちで成長してくれて、求めた以上のことを成し遂げてくれました。よりよい結果につながる経験を、これから取り組んでいってほしいと思います」と、一人ひとりの生徒と日々しっかり向き合っているからこその言葉を聞かせてくれました。


山田真也先生

先生の話を聞いた生徒たちからは、「先生はいつも『学校ではみんなが主役』と声をかけてくれ、色んなチャンスをくれる」と声があがり、山田先生への感謝の思いを滲ませていました。

「このプロジェクトに参加し学んだこと、今後に活かしたい事」を質問すると、「グループワークで積極的に意見を出すことが大事だと感じました。自分はもともと意見を出すのが苦手でしたが、意見を出し合うことがよりよい結果に繋がると実感しました」などの答えがありました。これに山田先生が、話を聞きながら感慨深く頷いている姿が印象的でした。


プロジェクトに取り組む生徒たちのひたむきな姿、それを信頼して全力で後押しする先生。胸が静かに熱くなるような背景があって、今回の新しい分別シールのゴミ箱が完成したようです。環境への想いが形になり、ゴミの分別回収が学内に徹底していくことが期待されます。

<プロジェクトメンバーの集合写真>





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