官民の垣根を超えた新社会人同士の異業種交流会が広島市で行われた。広島県は人口の転出超過が4年連続1位だが、このイベントは若い社会人の横の交流で、まちの活性化をはかり、流出防止やUターン就職の増加をめざす目的もある。

”街なか”オープンスペースに新社会人500人

ひろしまゲートパークで初めて開かれた新社会人を対象とした官民連携の異業種交流会。

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広島県の企業に就職した新入社員と県や市の新入職員500人が集まった。

会場では「広島の活性化」をテーマにしたディスカッションが行われ、様々なアイデアが披露された。

「広島の活性化」についてのアイデア発表
「広島の活性化」についてのアイデア発表

その中には「イベント会場の予定がない日をいかに減らすか」や「広告や放送の力を生かして広島のランドマークを新たにつくる」、ちょっとユニークなものでは「新しい病院の上にランドマークとして観覧車をつくる」といったアイデアが出された。

広島県の人材マネジメント担当の平賀崇史担当課長は「官民・所属・組織を越えたつながりが、有意義で、結果的に仕事や地域への愛着も深まる」と交流会の意義を説明する。

Uターン就職組「民間同士の交流機会を」

その後は官民“同期”同士、お酒を片手にざっくばらんな交流会に。

「民間でも市でも意見は同じで、みんな広島を良くしたいという思いはあるんだなというのが印象に残った」というのは広島市の新入職員。

転出超過問題では、就職時に広島に戻るUターン組をいかに増やすかが、問題解決のキーポイントの1つだが、京都からUターン就職した人は、広島について「いま転出超過が問題になっているので、若者も楽しめる街にしていきたい」と語る。

また、福岡からUターン就職した人は「仕事で実際に街づくりに関わる時に、この交流を生かしたい。今回は県や市の職員が多かったが、もっと民間の人たちともかかわる機会があったらよかった」と民間同士の交流に期待をかける。

広島県の新入職員は「ここで得た繋がりを仕事にどう活かせるかまで考えられるようになったら一人前かなと思った」と、この交流を自分の将来の仕事に繋げる姿を思い描く。

早くも “繋がる”ケースも

そんな中、早々と異業種間交流を深めるケースも見受けられた。

民間企業と市役所に勤め、きょうが“初対面”という女性2人は、これから食事をしに行くという。1人は「職場でも同年代が少ないので、そういった面でも心強い」と語る。

今回の交流がこの先、どのような“化学反応”を生むのか…。主催した「広島都心会議」の諏訪正浩事務局次長は「我々は、どうやったら若い人たちが思っていることを実現できるのか、やってあげないといけないと思っている」と今後も若い世代のための街づくり、場づくりをに努める考えだ。

新たな街の“賑わい”を官民あげてプロデュースする試みがどのような広がりを見せていくかが期待されている。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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