「まさか、あんなことになるなんて…」。雨が増えるこれからの時期、私たちの日常に潜む危険が改めて浮き彫りになっている。通勤通学の“相棒”である自転車。そのハンドルや手首に何気なくぶら下げた「傘」が一瞬にして凶器と化してしまうのだ。

前輪がロックされ「危ない!」「ゾッとする」
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が公開した実験映像は見る者をぞっとさせる。

自転車に乗った人形の手首にかけられた傘。

次の瞬間、傘は前輪に巻き込まれ、前輪がロックされた状態に。

人形はバランスを失って転倒し硬いアスファルトの地面に激しく打ち付けられる…。

街の人にこの映像を見てもらうと「ものすごく危ない」「想像するだけで怖い」といった悲鳴にも似た声が相次いだ。

NITEが今年3月に実施した自転車に関するヒヤリハットや事故に関するアンケートでは、回答した人の半数以上が「車輪に物が挟まり転倒した」などと回答している。傘による事故は決して他人ごとではない。

「肋骨が折れていたと思う」経験者の悲痛な叫び
実際に傘が前輪に巻き込まれる経験をした男性は、当時の状況をこう語る。
ーーどうなった?
「まずいと思ってこうなって(ハンドルを右に切って)…」
ーー(体が)回転した感じ?
「そうです、そうです。たぶん肋骨が折れていたと思います」
男性は地面にたたきつけられ、全治1カ月のけがをした。
ーー経験者としてどう伝えたい?
「絶対にやったらいけないと伝えたいですね」
5月16日には気象庁が全国で最も早く「九州南部が梅雨入りしたとみられる」と発表し、これから本格的に雨のシーズンを迎える。傘の出番はますます増えるが「つい、うっかり」が取り返しのつかない事態を招かないように心がけたい。
(テレビ西日本)
