ぼくは、アホです。
頭が、ちょう、へんです。
この書き出しで始まる作文は、「サン!シャイン」が入手した、「東大前駅」ホームで20歳の男性に切りつけ逮捕された戸田佳孝容疑者(43)の小学校の卒業文集です。

戸田容疑者の卒業文集を入手
〈戸田容疑者の小学校時代の卒業文集〉
ぼくは、アホです。
頭が、ちょう、へんです。
将来の夢は、お先まっ暗で、全然、わかりません。
だから、今までのざんげを書きます。
そこには、小学校の卒業文集とは思えない言葉が並んでいます。

〈戸田容疑者の小学校時代の卒業文集〉
てめえら、いじめるぞ。
石、投げるぞ。
パンチくらわすぞ。
ケリ、いれるぞ。
ツバ、かけるぞ。
窓ガラス、わるぞ。
そして、勉強を否定する言葉も…。

〈戸田容疑者の小学校時代の卒業文集〉
勉強なんか、やるものか。
ノートなんか書いたことないぞ。
宿題なんか絶対やるものか。
戸田容疑者は警察の調べに対し…、

〈戸田容疑者の供述〉
「小学生の時にテストの点が悪くて親から叱られた」
「東大を目指す教育熱心な世間の親たちに、度が過ぎると子供がグレて私のように犯罪を犯すと示したかった」
東大前駅を選んだ理由については、
「名前に東大とついており、世間の人たちが教育虐待を連想しやすいと思ったから」
と、“教育虐待”が関係していると供述しています。
文集から読み取れる人物像
戸田容疑者の小学校時代について、同級生は…。

小・中学校時代の同級生:
小学校の時は頭がいい印象で、勉強はできていたと思います。
ただ変わった一面もあり、学校の廊下にツバを吐いていました。

戸田容疑者が書いた卒業文集に寄せた作文からは、何が読み取れるのでしょうか?
犯罪心理に詳しい明星大学の藤井靖教授に話を聞きました。

明星大学 藤井靖教授:
文章の書き方がすごくきっちりしていて、漢字もちゃんと使えているっていうことですよね。きちんと学習習慣があったりとかして、教えられたり、練習してきた人じゃないかなっていう印象を受けました。基礎的な勉強をきちんとしてきたと思われる文章だといいます。
文集の中に並ぶ暴力的な言葉については…。

明星大学 藤井靖教授:
置かれた環境っていうのが、あまり自分自身の心が健全に育つ環境ではなかったんだろうなという想像がつきますね。
心理学で言うところの、防衛的帰属だと思いますよね。
相手を攻撃したりとか下に下げたりとか、何かきつい言葉を言ったりして、自分自身を保つために、こういうふうに言っているんじゃないかなと。
戸田容疑者を20代の頃から知る人は…。

――戸田容疑者がやっていたことや目指していたことは?
戸田容疑者を20代の頃から知る人:
(親族には)弁護士になると。(司法)試験を受けて何回も落ちたという話は聞きました。
最後は諦めちゃったという話も聞きました。
司法試験に何度も落ち、諦めたという話を聞いたといいます。

卒業文集に大きく書いてあるイラストには、、石を投げ、ニオイを放ち、ツバを吐く姿を描いている戸田容疑者。
明星大学 藤井靖教授:
自分の中で勝手に「善悪」を決めてしまって、「いい人、いい状態というのはこういうことだ。悪い人ってのはこういう人で、こういう人は罰せられなきゃいけない」みたいな感じでどんどん思いが募って、今回のような犯罪を犯してしまうことも場合によってはあり得ると思いますね。

MC 谷原章介:
過剰に反応しすぎたくないなと思うのは、昔から、家庭内の行き過ぎた教育、親の押しつけで家庭内暴力につながったりということは繰り返されてきたわけじゃないですか。
今回の原因がすべて教育虐待と結びつけられるかどうか、そこもまだ確定的ではないですし、なんだったら自分で望んで弁護士の試験を受けて何回も試験に落ちて諦めている、自分から学ぼうとして挫折をすることを繰り返しているわけですよね。
SPキャスター カズレーザー氏:
かつて教育虐待の状況にあって、親から強い指導があったりとか方向性を決定づけられて、その結果親に刃を向けるみたいなケースはあったと思うんですよ。
でも、これは全く別として話さなきゃいけなくて、今回は通り魔的な犯行ですよね。まだ教育虐待につなげるには早いんじゃないかなと思います。
(「サン!シャイン」5月16日放送より)