7日午後7時ごろ、東京・文京区の東京メトロ南北線・東大前駅で、電車に乗ろうとしていた20代の男性が刃物を持った男に頭などを切りつけられました。

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その後、到着した電車に男が乗り込んだ際、周囲にいた男性3人が取り押さえ、確保。取り押さえた3人のうち1人が警察官で、男を殺人未遂で現行犯逮捕しました。

現行犯逮捕されたのは、住所・職業不詳の戸田佳孝容疑者(43)。

被害者は搬送時に意識があり、「容疑者と面識はない」と話していたといいます。また、男を取り押さえた30代の男性が指に全治1カ月の重傷を負いました。

不安げに逃げる人々…残された血痕

事件発生当時に車両内で撮影された映像には、次々と席を立ちホームへ降りる乗客の姿がありました。

警報音と非常ベルがけたたましく鳴り響き、多くの乗客が出口のある方向へと急ぎます。

何が起きたのか分からないのか、逃げながら「不審者ですか?」「強盗?殺人?」と不安げに会話する様子も。

乗客:
まずは電車に乗っていた時に何が起きたんだ?という不安と動揺がありましたね。

目撃した学生:
何が起こったんだろうという感じで、改札の上に行って血を見た時は何かあったんだなと思った。刃物で刺されたと思った時に、なんかその時も不安がいっぱいでした。
(犯行を)見た人は刃物を持った人が刺したとか言っていたので、まだ危ない人がいるんだろうなとは思いました。ホームには血がバシャってなっていて。
(容疑者は)白い服を着ていて、手錠されていました。ちょっとゆっくり目に歩いている感じで、おとなしかった。

帰宅ラッシュ中の地下鉄駅構内で起きた惨劇。
現場には多くの血痕が飛び、ホーム上に残された凶器とみられる刃物は、“中華包丁”のような形をしていました。

戸田容疑者は警察の調べに対し、黙秘を続けているといいます。

「誰でもいいから殺すなり、傷つけようと」

なぜ、多くの人で混雑する帰宅ラッシュ時の地下鉄のホーム上で犯行に及んだのか、元神奈川県警捜査一課長の鳴海達之氏は、被害者が容疑者と面識はないと話していることから、「無差別的な犯行」の可能性が高いといいます。

元神奈川県警捜査一課長 鳴海 達之氏:
色々な過去の事例から見ても様々な理由があると思いますが、世の中が嫌になったとか、自分の存在意義がないとか、それを他人のせいにするとか、ほとんどが自己中心的な理由だと思うんです。
こういった場所を選んだということも、ひとつのポイントになってくると思います。
あらかじめ包丁を用意していますから、トラブルでどうのこうのということはないと思うので、誰でもいいから殺すなり、傷つけようという動機だと思います。

(「サン!シャイン」 5月8日放送)