2024年から2025年にかけて、女子児童の下着などを盗撮し、SNSのグループに共有した疑いで、名古屋市の小学校教師・森山勇二容疑者(42)と、横浜市の小学校教師・小瀬村史也容疑者(37)が逮捕されました。

また、別の事件で逮捕・起訴されている、名古屋市の小学校教師・水藤翔太被告(34)も、盗撮画像を共有するグループのメンバーでした。

森山容疑者が管理していたとみられる秘匿性の高いSNSグループには、70点もの盗撮動画や画像が共有されており、そこに参加していた約10人のメンバー全員が、現役の小・中学校の教師であるとみられています。

小学校で教頭に次ぐ主幹教諭で、学校行事などの写真を撮影する立場だったという森山容疑者。警察の調べに対し、「学校のデジカメを使用して盗撮していた」と供述しているといいます。

教育現場への信頼、そして、守られるべき子供たちの安全が大きく揺らぐ事件。
自身も小学生の母で、ネット上の盗撮画像をパトロールするボランティア団体「ひいらぎネット」の代表を務める永守すみれ氏によると、今回のケースは“異質”だといいます。

ひいらぎネット 永守すみれ代表:
(通常は)主にXのような有名な、使っている人が多いSNSを起点として、よりクローズドな閉鎖性の高いコミュニティーにつながっていくというようなものが多いです。
私たちが普段パトロールしている時にも、そういったコミュニティーの中に教員を名乗る人は見かけるんですけれども、教員だけで集まったコミュニティーというのは見かけたことがなくて、大変衝撃を受けました。
「子供には100%先生を信じなくていいと言った」
子供がいる家庭も多い「サン!シャイン」のスタジオ陣は、今回の事件をどのように受け止めたのでしょうか。

谷原章介キャスター:
このニュースに最初触れたとき、本当に何を信じればいいのかとすごく強く思いました。教師として勤めているときに、良心は痛まなかったのかと。
これは信頼関係の問題だと思うから、どこまで疑って、どこまで防御策を講じればと。

松嶋尚美氏:
ぱっと10人…芋づる式で(見つかったけど)、もっといる!と思っちゃった。
そう考えると怖いから、正直、子供達には「100%先生を信じなくていい」と言っちゃった。いい人もいるけど、残念ながらこんなニュースが出ているから、100%ではない。だから、なにか気持ち悪いとか、いやな感じのところを見た時は、取りあえず(私に)言ってみてって。色んな親とか通じて、「そんなうわさ聞いている?」とかこっちも確認してみるねと言ったら、(子供は)「今のところないよ」って言っているから、ちょっと安心しているんですけど…。
あと、体育の日は家から体操着を着ていく。女子の短パン、男子の短パンは禁止。ある程度、長さを出すとか、そういうのは必要になってくるのかなと。

谷原章介キャスター:
確かに、無条件に先生を信じていいよと言える状況ではなくなってきているよね。
どんな職種の人も犯罪を起こしうる、どこか家庭で先生を妄信して、先入観を持って接するのは改めないといけないのかもしれないですね。

松村未央アナウンサー:
うちは子供が1年生になったばかりで、入学して3カ月で「学校が楽しい」と言っているので、今回のことはまだ話せないですね、こういうことがあると…。
先生たちは信頼していい存在だと私は伝えているので、「先生の言うことを聞きなさい」と。だからこそ、ちゃんとコミュニケーションを日頃から取って、変なことがないかなどチェックしたいと思いました。
「どこでも起こりうる」前提の対策を
学校の安全管理などを研究するNPO法人「日本こどもの安全教育総合研究所」の宮田美恵子理事長は、「子供に対して必要以上に関心を持つ人は一定数いて、子供のいるところにそういう人たちが集まるのは必然」と話し、「どこでも起こりうる」ことを前提とした安全対策が必要だといいます。

「日本こどもの安全教育総合研究所」 宮田美恵子理事長:
これは、ルールだけの問題ではなく、物理的にそもそもできないとか、(携帯などを)持ち込ませないとか、学校のカメラはSDカードを抜き取れないようにするとか、物理的な対策をセットにしないと、もう間に合わないと思います。

ネットトラブル相談サイト WEB110 吉川誠司代表:
学校はもう“聖域”ではないですから、防犯対策をするにしても、外からだけでなく、内部不正というところに目を向けていかなくてはいけないと。今回の学校のカメラを使って盗撮をして誰も気づかないというのは、まさに内部統制の脆弱性以外の何物でもないんです。
企業であれば、従業員が企業の秘密を漏洩していないかとか端末をしっかりチェックしていますから、「性善説ではもう成り立たない」と考えなくてはいけないかなと。
(「サン!シャイン」 6月30日放送)