狙われたのは、福岡を代表するあの「名物グルメ」だった。福岡市の飲食店に設置されていた防犯カメラが驚きの手口による”食い逃げ”の瞬間を捉えていた。
標的になった店は観光客にも人気
事件があったのは福岡市中央区にある『もつ鍋 極味や赤坂店』。本格もつ鍋を堪能できる店として地元民だけではなく、観光客にも人気の店だ。

2025年4月11日、午後7時頃、店にやって来た4人組の男女。店のスタッフによると4人は、韓国語で会話をしていたという。

もつ鍋のコースなどを注文し、会計時の金額は1万9544円。4人組は2時間ほどで食事を終え、会計レジの前にやって来たのは白い服を着た男だった。

会計を担当したアルバイトの女性スタッフ(21)によると「(男は)すごく笑顔で、ニコニコしていらっしゃったので、違和感はなかったです」とそのときの印象を話す。

「最初にレジでお金を預かって、トレーの方に置いて、お釣りを渡すという状況だったんですけど…」と状況を説明する女性スタッフ。男は1万9544円の会計に対して、中途半端な2万505円を差し出したというのだ。

お釣りは961円。女性スタッフは、小銭の用意をし始めた。
何やら不思議なジェスチャーを…
すると男は、最初に100円玉だけを渡してきた。何やらジェスチャーをしていたという。その小銭を「100円玉から10円玉に替えて欲しいのかな」と思った女性スタッフ。男に確認したが、どうやら違うようすだったという。女性スタッフから961円を受け取った男は、レジの千円札を指さしたのだ。

女性スタッフは、お釣りの900円分と先程の100円を合わせ、千円札への両替を希望しているのだと理解した。

そして、女性スタッフが両替用の千円札を取ろうとレジに目を向けた瞬間。

男は、自らが食事代金としてトレーに置いていた2枚の1万円札を素早く取り、手中に収めたのだ。

そして両替した千円を受け取り、残りの小銭を回収すると、何事もなかったかのように店を後にした。女性スタッフは、全く気がつかなかったという。

あらためて防犯カメラの映像を見た女性スタッフは「あっ、この時に取られたんだ…」と肩を落とした。そして「(相手と)言葉が通じないっていうのと、両替の仕方がちょっと複雑だったので、混乱してしまったのかなって思います」と当時を振り返った。

僅かな隙をつき、代金として支払うと見せかけたお金に加え、そのお釣り分まで持ち去った男。店側は警察に被害届けを提出している。
(テレビ西日本)