4月にNTTドコモ、7日にKDDIが、値上げとなるスマホの新料金プランを発表。両社とも、値上げに伴い、利用者が新たなメリットやサービスが享受できると強調する。専門家は、次世代携帯電話6Gの開発費にあてるための値上げだと考察しており、月々の利用料金節約には格安スマホを含めた携帯会社の変更や料金プランの見直しが有効と指摘する。

NTTドコモ・KDDIが相次ぎ値上げの新プランを発表

日本人の9割が持っていると言われるスマホを巡り、このところ大手3社のある動きが注目されている。

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8日のテーマは「携帯電話業界の値下げ競争は終了?ソレってどうなの」だ。街ゆく皆さんに、どこのキャリアを使用しているか聞いた。

ドコモを利用する人:
docomoです。月10万円近くだった気がします。(3人)家族で。

auを利用する人:
(月)8000~9000円ぐらい。

楽天を利用する人:
3000円ちょっと。前はソフトバンクで、ちょっと高いと思っていたので変えた。

楽天を利用する人:
(データ通信)無制限で2980円ぐらい。値段を気にすると楽天になります。

そんなスマホに今、値上げの波が押し寄せている。

4月に主要プランの値上げを発表したのは、NTTドコモ。6月5日から始める新プランでは、スポーツ専門の動画配信サービス「DAZN」が無料で利用できるようになるなどのメリットがある一方、3ギガ以上の利用で月額8448円(税込)と、現在の主要プランより1000円以上アップする。

auブランドを提供するKDDIも7日、新しい料金プランを発表した。データ通信を無制限で利用できるプランなどが、8月1日から330円値上げされる。

会見では、新しいプランは空が見える状態であれば圏外であっても通信できるシステムや、海外でもデータが使い放題になるといったメリットがあることを強調した。

KDDI・松田浩路社長:
価値をつくり続け、対価を貰い、パートナーに還元してさらに投資していく。

また、8日午後4時過ぎにはソフトバンクも会見を行い、時期は未定としながらも「価格の見直しは必要なタイミング」だと話し、値上げの可能性を示唆した。

携帯会社大手が相次いで新サービスと同時に発表した値上げに、街の人はこう話す。

ソフトバンクを利用する人:
(料金が)上がらないに越したことはないが、携帯は必要不可欠。上がっても使わなきゃいけないもの。しょうがない。

楽天を利用する人:
人口も減る中で、相対的に物価が上がらないと経済が回らないので、いい環境下だと思うが、いち消費者としては嬉しくない。

次世代携帯“6G”開発費のために値上げか

青井実キャスター:
金子さん、街では「やむを得ない」という方もいらっしゃいましたけども…。

SPキャスター金子恵美さん:
物価高での便乗値上げだったらダメですけど、追加サービスでの値上げということはいいのだろうと思うのと、プランをユーザーの方が分かりやすいものにしてほしいなとは思いますね。

青井キャスター:
色々なプランありますからね。自分がどのプランかも、もう一回見直した方がいいかもしれないですね。

ここ数年の間、携帯各社は値下げ競争を続けてきた。総務省によると、利用者が毎月支払う推計の平均額は、2019年9月は約6920円だった。それが2024年3月には、約4190円に。背景にあるのは、2018年当時の菅政権が掲げてきた携帯料金の値下げ政策だ。

携帯大手3社は政府の要請に応じる形で、新しい料金プランを打ち出してきた。それがなぜ一転して値上げに舵を切ったのだろうか。

ITジャーナリストの三上洋さんは、物価高などでコストが増加したこと以外にも大きな理由があるという。

ITジャーナリスト・三上洋さん:
携帯電話のシステムは年々進化している。現在は5G「第5世代携帯電話」が普及の最中。スピードが速く、先進のITのシステムにも利用できるが、非常に高いコストがかかり、開発費や基地局などの建設費がかかる。

次世代の携帯電話、6G「第6世代携帯電話」の開発等も進むが、携帯電話会社がある程度の儲けが出て、その儲けを投資するからできるという局面がある。

携帯料金は、2020年以降非常に下がったが、さすがに新規の開発費が出なくなる。そのために値上げしたという局面がある。

しかし、利用者としてはスマホの料金は安い方が嬉しい。どうすればよいか、三上さんに聞いた。

ITジャーナリスト・三上洋さん:
対策は他社に移行すること。特に格安スマホ、MVNO(格安SIMを提供する通信会社)に移れば、場合によっては半額以下になることもある。携帯料金は私たちの使い方、契約の仕方で自由に移動できる時代が来ている。同じ電話番号のまま、料金が半分以下の格安スマホの会社もある。自分で選択してほしい。

格安スマホの他にも、第4の勢力として台頭してきた楽天モバイルの価格が今後どうなるかに注目が集まるなど、携帯業界は戦国時代が続いている。

物価高の中、携帯会社やプランをどう見直すのかが暮らしに求められている。
(「イット!」5月8日放送より)

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